犬が食べても安心な『魚介類』4選 与える方法とやるべきではない食べさせ方とは?

1.サケ

日本人の食卓に上がることも多いサケは、犬にとっても栄養豊富で優れた食材のひとつです。

サケには良質なたんぱく質をはじめ、EPA・DHAなどオメガ3脂肪酸やビタミンB群、ビタミンD、ミネラルが豊富に含まれています。さらに、白身魚でありながら身を赤くする「アスタキサンチン」が含まれているため、強力な抗酸化作用が期待できます。

適切な与え方と注意点

犬にサケを与えるときは、人間用に販売されている切り身などを選んでかまいません。ただし、塩が振られているものではなく、生サケを選ぶようにしてください。

また、天然のサケを与える場合は、必ず加熱をして、アニサキスによる食中毒のリスクを下げましょう。

刺身用のサーモンであればアニサキスの心配はありませんが、生食に慣れていない犬の場合は下痢をする可能性もあるので、基本的に加熱して細かくほぐして与えるようにしてください。そして、身をほぐす際に、小骨が混ざっていないかよく確認しましょう。

2.マグロ

マグロは、犬にとって良質なたんぱく源となる食材です。赤身の脂肪分は非常に少ないため、体重のコントロールが必要な犬にも与えやすいでしょう。

血合い部分には鉄分をはじめ、タウリンやビタミンEなどがたっぷり含まれているため、栄養豊富です。もちろんEPAやDHAも豊富で、犬の疾病予防や健康維持に役立ちます。

適切な与え方と注意点

犬にマグロを与える場合、生食用の刺身であればそのまま与えてもかまいません。ただし、普段生食を与えていない犬の場合は、念のため加熱して細かくほぐしてあげると安心です。

また、血合い部分などを与える場合は、少量の油で焼いて与えることをおすすめします。茹でると水溶性の栄養素がお湯に溶け出してしまうので、煮て与える場合はスープにして茹で汁ごと与えるといいでしょう。

3.タラ

タラにはDHAやビタミンB12、ヨウ素など体の調子を整える栄養素が多く含まれています。身が柔らかくほぐれて、淡白で食べやすいため、犬の食事にもぜひ取り入れたい食材です。

また、脂質やカロリーが少なく、消化もしやすいので、子犬や老犬のほか、体重の増加が気になる犬など様々な犬に与えやすいでしょう。

適切な与え方と注意点

生のタラにはアニサキスが寄生していることがあるため、必ず加熱してから与えるようにしましょう。

また、タラの身には骨があるため、与える前に身を細かくほぐして骨を取り除くようにしてください。

4.シラス

シラスは、カタクチイワシや真イワシ、ウルメイワシなどのイワシ類を中心とした魚類の稚魚です。シラスには骨や歯を丈夫にするだけでなく、神経や筋肉の働きを助けるカルシウムが豊富に含まれています。

さらに、マグネシウムなどのミネラルも豊富で、体内では血圧や神経のバランスを取って調子を整える働きをします。

適切な与え方と注意点

シラスは非常に小さく身も柔らかで、小型犬や老犬でも骨ごと食べられるのが特徴です。ドッグフードなど主食にもトッピングしやすく、気軽に犬の食事に取り入れられます。

ただし、シラスの中には茹でる際に塩分が添加されたものや、味付けされたちりめんじゃこを犬に与えるのは避けてください。これらは犬の体にとって塩分が多すぎて負担をかけてしまいます。

基本的に釜揚げシラスであればそのまま与えてかまいませんが、気になる場合は一度湯通しして塩気を落としてから与えましょう。

まとめ

魚介類の中には、犬もおいしく食べられて栄養も豊富なものがたくさんあります。特にこの記事で紹介した魚は、犬にも安心して与えやすいと思います。

しかし、食材の選び方や与え方によっては、犬の体に負担をかけてしまうこともあるので、十分な注意が必要です。

それぞれの食材に関する正しい情報を事前に確認し、愛犬がおいしく安全に食事ができるようにしてあげてくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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