ゴットン、ゴットン…昔ながらのきねつきで伝統の味に 指宿で山川漬の仕込みピーク

伝統的な製法で山川漬の仕込み作業に追われる工場=13日午前、指宿市山川福元

 400年以上の歴史があるとされる山川漬の仕込みが鹿児島県指宿市山川福元で追い込みを迎えている。内薗賢漬物店の工場では13日、木製のきねつき機で約1.5トンの寒干し大根をかめつぼに塩漬けした。4カ月~1年かけて熟成させ、伝統の味に仕上げる。

 ゴットン、ゴットンと軽快なきねの音が響く工場は、大根が発酵したほのかな甘い香りが漂う。内薗祐二社長(48)によると、観光需要の回復で今年は50~60トンの生産を見込んだが、年明けの天候不良で寒干し大根の出荷量が減り、約40トンにとどまるという。

 内薗社長は「手間をかけた濃厚なうまさと、コリコリした歯応えを味わってほしい」と話している。

仕込み作業の終わった干し大根をかめつぼに詰める=13日午前、指宿市山川福元
木製のきねつき機を使った山川漬の仕込み作業=13日午前、指宿市山川福元

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