米上院、ウクライナ支援法案可決 下院採決は不透明

David Morgan

[ワシントン 13日 ロイター] - 米議会上院は13日早朝、ウクライナ、イスラエル、台湾への支援を盛りこんだ953億4000万ドルの法案を70対29の賛成多数で可決した。法案は野党共和党が多数派を占める下院に送付される。

法案はウクライナ支援に610億ドル、イスラエルに140億ドル、台湾を含むインド太平洋のパートナー支援に48億3000万ドルを充てるほか、パレスチナ自治区ガザやヨルダン川西岸、ウクライナなど世界の紛争地域向けに91億5000万ドルの人道支援も盛り込んだ。

上院の採決では共和党議員22人が賛成に回り、可決に必要な60票を大きく上回った。

ただ、下院ではジョンソン議長が法案を採決にかけるかどうかすら不透明だ。

バイデン大統領は「下院全体が意見を表明できるようにし、少数の最も極端な声で採決が阻止されるのを容認しないよう議長に求める」とし、「法案への支持はプーチン(ロシア大統領)に立ち向かうことで、反対はプーチンの術中にはまることだ」述べた。

ジョンソン氏が採決に同意しなければ、民主党は議員が採決を強行できる異例の手法を試みる可能性がある。この手法は過半数議員の署名が必要で、成功例は2015年以来ない。

民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は、法案可決のためあらゆる立法手段を用いるとする書簡を党議員に送った。また記者会見で、法案を支持する議員が与野党合わせて300人いるとの見方を示した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は上院での可決を歓迎し、「米国の支援はウクライナを平和に近づけ、世界の安定を取り戻し、全ての米国民と自由世界全体に一段の安全と繁栄をもたらす」とX(旧ツイッター)に投稿した。

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