Mark Trevelyan Greg Torode
[ロンドン 13日 ロイター] - 英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)が13日に公表した世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス」の2024年版によると、ロシアがウクライナで喪失した戦車は3000両以上に達した。これは2022年のウクライナ侵攻開始前に現有兵力として保有していた主力戦車の総数に相当するという。
過去1年間では推定1120両の戦車を喪失。ただ、ここ1年間でおよそ1000─1500両の戦車を前線に投入したとみられ、戦車補充に関してはほぼ「ブレークイーブン」にあるとした。
もっとも、前線に投入された戦車のうち新造されたものはせいぜい200両で、大半が旧式戦車を改修したものだという。
それでもロシアが保有している戦闘に利用可能な戦車はウクライナの約2倍。ロシアには旧式で性能が劣る退役戦車の在庫が十分あり、今後約3年間はこれらを現役戦車に改修して補充が可能とした。
ロシア国防省はコメントを控えた。
ウクライナに関しては、ロシアによる侵攻以降、大きな損害を被っているが、西側諸国の軍事支援により、品質を向上させながら在庫を維持することができているという。
IISSは、ロシア・ウクライナ両軍の損失と塹壕戦の特徴を考慮すると、現在の膠着状態が続く可能性が高いと指摘。「両陣営とも非常に多くの死傷者を出さずに大規模な攻撃を行うことはできず、それは当面続く可能性が高い」とした。