鳥居、灯籠は倒壊 職藝学院・上野氏 小矢部・松尾神社を調査

被害状況を確認する上野氏(左)=小矢部市の松尾神社

 能登半島地震を受け、職藝学院(富山市)の上野幸夫学院長(66)が13日、小矢部市松尾の松尾神社を訪れ、被害状況を調べた。鳥居の倒壊などが見られたものの、拝殿や本殿などに大きな被害はなく、上野氏は「地盤のしっかりとした場所に建っていたのが大きい。今後、改修する際は揺れに強い木造建築の特徴を生かしてほしい」と述べた。

 神社は万葉歌人で越中国司として赴任した大伴家持が参拝したと伝わり、2004年に上野氏が調査した結果を基に、地元住民が中心になって、本殿や拝殿などを順次改修した。

 調査の結果、柱を固定する「楔(くさび)」と呼ばれる部材が緩んでおり、上野教授は再び打ち込み直すよう助言した。本殿の柱の一部もずれており、建物をジャッキアップして元の位置に戻すことが可能と説明。鳥居のほか、本殿と拝殿の間に設けた石の灯籠2対は倒壊し、早急な修繕が必要とした。

 松尾神社の社殿は明治期、金沢市内の寺院にあった加賀藩前田家の祈願所「愛宕堂(あたごどう)」を払い下げを受けて移築し、格調の高い外観を整えた。山田聡松尾区長(62)は「鳥居が倒れたのはショックだった。どのような形で復旧するか住民と相談したい」と話した。

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