「まんが道」で記念展示 氷見市潮風ギャラリー藤子Ⓐさん生誕90周年で今夏

今夏、藤子Ⓐさんの生誕90周年記念展が開かれる氷見市潮風ギャラリー=同市中央町

  ●デジタルコーナーも一新 まんがのまち、魅力アップへ

 氷見市は今夏、市潮風ギャラリーで、市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐさん(元富山新聞記者)の自伝的作品「まんが道」をテーマにした展示を開催する。生誕90周年の記念企画で、名シーンの複製原画などを並べ、藤子Ⓐさんの幼少期や「トキワ荘」時代の青春を描いた物語に触れてもらう。同ギャラリーは新年度、人気コーナー「デジタルまんがスクリーン」もリニューアルし、まんがのまちの魅力向上につなげる。

 市が13日発表した新年度当初予算案に事業費が盛り込まれた。展示は「まんが道展」(仮称)で、2022年4月に88歳で亡くなった藤子Ⓐさんが、今年3月で生誕90周年を迎えることから企画。トキワ荘を再現した「マンガミュージアム」(東京都豊島区)で、22年11月~昨年3月に開催された「藤子不二雄Ⓐのまんが道展」をベースにする。

 まんが道をテーマにした展示は同ギャラリーでは初めて。複製原画のほか、トキワ荘が解体された際、藤子Ⓐさんと、藤子・F・不二雄さん(高岡市出身)がサインした壁の一部などの展示を検討している。

 同ギャラリーのリニューアルでは、映像技術でまんがの世界に入り込んだような体験ができる「デジタルまんがスクリーン」の内容を一新する。15年に設置されたコーナーで、現在は「忍者ハットリくん」「笑ゥせぇるすまん」の2作品がテーマになっている。

 作品コミックなど約1千冊を自由に閲覧できる「まんが図書室」では、スマホでQRコードを読み込むと、人気キャラクターがお勧めの作品を紹介してくれるシステムを導入し、滞在時間の延長につなげる。館内照明は発光ダイオード(LED)化する。

 このほか市はまんがのまちづくり推進事業として、今秋に市中心部のまんがロードを巡る「謎解きゲーム」を計画する。5月にまんがワールドまつり、12月に作品上映会も開催する。

  ●今年度入館者堅調に推移

 同ギャラリーの今年度の入館者数は12日時点で1万7361人で、07年の開館以来初の2万人を突破した昨年度には及ばないものの、堅調に推移している。今年1月は能登半島地震の影響で、入館者が昨年同月比で約3分の1の333人に落ち込んだが、市内の復旧に伴い、国内外の観光客が戻り始めている。

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