過疎地域に拠点を置く中小企業に、首都圏で学ぶ大学生を長期インターンとして呼び込む「過疎地域インターン促進事業」のキックオフ研修会が13日、茨城県常陸太田市中城町の市生涯学習センターで開かれた。茨城県の県北、県西地域の企業8社と大学生16人が参加。学生らは今後1カ月間の活動内容を協議した後、それぞれ意気込みを語った。
同事業は茨城県が本年度からスタート。首都圏で学ぶ大学生に就業体験を提供し、受け入れ先で商品開発や新たな事業に取り組んでもらう。受け入れ企業は県内で「過疎地域」に指定された11市町で農業や建設業、キャンプ場運営などを行う15社。県は昨年12月、大学生の参加者を募り、企業側とのマッチングを図った。
この日は、参加した大学1~3年生16人が、常陸太田、常陸大宮、大子、城里、桜川の5市町の企業8社別に分かれ、受け入れ先での活動内容や目標などを発表した。
受け入れ側の1社、藤田観光りんご園(大子町)は、リンゴを使った新商品開発や交流サイト(SNS)の一層の活用を目指す。同園で就業体験する産業能率大1年の新堂慧さん(19)は「将来はヒット商品を世の中に生み出したい」。津田塾大1年の細田葵さん(19)は「受け身にならずに意見を発信し、提案できるようになりたい」と意気込んだ。同園の藤田史子副代表は「学生たちの新しい発想を生かし、リンゴ園の持続に向けて一緒に学んでいく」と期待した。
研修会は14日も、かすみがうら市で開かれ、残る県南、鹿行地域の6市町の企業7社と、学生13人が参加する見込み。3月には成果報告会も予定されている。県計画推進課は「将来の移住につながる関係人口の創出を図りたい」と展望を話した。