厳選の越前がに15匹を福井県から皇室に献上 大正期に始まり98回目、三国の鮮魚店が釜ゆで

赤くゆであがった皇室献上の越前がに=2月13日夜、福井県坂井市三国町宿1丁目の伊野魚問屋

 皇室に献上される越前がにの釜ゆで作業が2月13日夜、福井県坂井市三国町内の鮮魚店であった。赤くゆであがったズワイガニ15匹が丁寧に箱詰めされ、発送された。14日午前中に皇室に届けられる。

 1922(大正11)年に始まり98回目。調理は町内鮮魚店4軒の持ち回りで、今年は同町宿1丁目の伊野魚問屋が担当した。

 三国港に9日水揚げされた中から、傷がなく色つやの良い体長約80センチ、重さ約1.3キロのズワイガニを厳選した。真水で締め、蒸気ボイラーで30分ほど塩ゆで。紅白幕を張った作業場で冷まし箱に詰めた。天皇家、上皇ご夫妻、秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家に届けられる。

 伊野勝博代表(72)は「何度やっても緊張する。今年はシケが多く、なかなか漁に出られないが、例年通りの品質。身がずっしりのった極上品を召し上がっていただきたい」と話した。

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