近畿整備局ら/176号名塩道路生瀬トンネルが完成、異常気象時に交通確保

近畿地方整備局兵庫国道事務所が兵庫県西宮、宝塚両市で整備を進めている国道176号名塩道路(延長10・6キロ)のうち、生瀬トンネル(311メートル)を含む1・1キロ区間(西宮市名塩木之元~塩瀬町生瀬)が完成し、12日に記念式典が開かれた。13日午前5時に切り替えた。今後は既設道路を改良し、2026年春をめどに片側2車線にする。トンネルの施工は鴻池組が担当した。
名塩道路は、現道で慢性化している交通渋滞の緩和や交通安全の確保、異常気象時の交通を確保するため、1985年度に事業化。道路の拡幅とバイパスの整備を進め、これまで7・2キロが供用している。
生瀬トンネルは幅員10メートルの片側1車線。掘削工法はNATM。20年1月に西側から掘削を始め、22年2月に貫通した。宝塚側の坑口付近には長さ約30メートルの歩行者用の仮設トンネルを整備した。大多田川橋の上部工の施工はオリエンタル白石が担当した。
今後はトンネル周辺の斜面を掘削し、現道を約2メートルかさ上げする工事と歩道整備を行い、宝塚方面行きの2車線道路にする。かさ上げすることで武庫川の越水を防ぐ。
式典は宝塚側のトンネル前で行われ、国や県、市の関係者のほか、国会議員や県会議員、市会議員ら約100人が出席した。
冒頭、近畿整備局の見坂茂範局長は「引き続き地域の安全・安心、活性化につながる道路整備を進める」と述べ、兵庫県土木部の杉浦正彦部長は「地域の経済活動、日常生活に極めて大きな効果をもたらす」と期待。西宮市の石井登志郎市長は「一つの通過点」と強調し、早期の全線開通を願った。
国会議員は赤羽一嘉衆院議員ら衆参両院の10人が出席。地元の塩瀬中学校の生徒からビデオメッセージも寄せられた。関係者らがテープカットとくす玉開披を行うと、会場は歓声と拍手に包まれた。
残りの2・1キロ区間の開通時期は未定。

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