安藤ハザマ/コンクリートの打ち継ぎ面処理、瞬時に評価するシステム開発

安藤ハザマは13日、硬化したコンクリートに新たにコンクリートを打設した際の打ち継ぎ面の処理を、簡易に評価するシステムを開発したと発表した。タブレット端末で打ち継ぎ面を撮影すると、処理の良否を瞬時に判定する。追加処理の要否がその場で分かるため、処理が不十分だった場合も迅速に対応できる。
開発した打ち継ぎ面処理評価システム「ミドリガメ」は、まずタブレット端末で打ち継ぎ面の画像を取得する。画像を骨材部をぼかしたものと、骨材部を強調したものの2種類に分け、二つの画像の差分から骨材を抽出した画像をつくる。骨材部の面積割合を基に処理を「処理十分」と「処理不十分」で判定する。
事前に現場環境に適したパラメーターを設定すると、打ち継ぎ面の乾湿状態にかかわらず、誰でも簡易に判定できる。判定結果はタブレット端末に保存され、トレーサビリティーの確保にも活用できる。
同社は今後、土木・建築問わず、さまざまな現場に幅広くミドリガメを導入していく考え。ミドリガメの機能拡充も進める。
コンクリート構造物では、打ち継ぎ面を適切に処理することで、コンクリートとの付着を強固にする。打ち継ぎ面処理では、打ち継ぎ面の脆弱(ぜいじゃく)な部分を高圧水やワイヤブラシなどによって取り除く。処理が不十分だと打ち継ぎ面の品質低下に影響するため、適切な処理が重要になる。
現状は処理の良否判定が主に熟練技術者の経験に基づいた目視判定によって行われている。経験の浅い技術者も定量的に評価できる手法の確立が課題となっていた。

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