スマホや電子タバコ、モバイルバッテリー「リチウムイオン電池」が出火原因に 衝撃、過充電はNG 山手線では火災も発生

2月6日に、JR山手線で発生した火災。原因は、モバイルバッテリーに使われている「リチウムイオン電池」でした。衝撃を加えると発火する恐れがあり、消防が注意を呼びかけています。

「リチウムイオン電池」は、スマートフォンなどのバッテリーに使われていて、いまや私たちの生活に欠かすことはできません。しかし、取り扱いには注意が必要です。

JR山手線の池袋駅で起きた火災では、乗客のモバイルバッテリーが発火し、白い煙が車内に充満しました。駅員が消火器で火を消しましたが、乗客全員が避難する事態となりました。

郡山地方広域消防組合・渡邉裕消防司令「(リチウムイオン電池は)小型だが、中に大きい容量の電気のエネルギーを蓄えている。衝撃や使用環境、高温などに弱い」

消防が実験 衝撃を与えると…

使い方次第では、発火のリスクもあるということで、福島県の郡山消防本部にその危険性を確かめる実験を行ってもらいました。

先端が尖った工具で穴を開けて、衝撃を加えると…。

まず、穴を開けたところから煙が吹き出します。そして、次の瞬間爆発するように勢いよく火があがりました。

郡山消防本部管内では、リチウムイオン電池が原因とされる火災が過去5年間で10件発生。4人がけがをし、住宅が全焼したケースもありました。

渡邉消防司令「落下等の衝撃を与えない、充電をしすぎない、高温等の環境のもとで使用しないことが一番です」

リチウムイオン電池はコードレス家電や電子タバコなど、様々な電気機器に使われていて、何気ない落下などに注意が必要です。

ごみ収集車火災の原因にも 正しく処分を

発火の恐れがあるリチウムイオン電池が搭載されているモバイルバッテリーや携帯電話などは、処分する際にも注意が必要です。

NITE(製品評価技術基盤機構)が行った、モバイルバッテリーをごみ収集車に積み込んだ際の実験映像を見ると、車内でバッテリーが押しつぶされると、煙があがります。

そして、発火しました。最悪の場合、車が炎上し、大きな火災につながるおそれもあります。

リチウムイオン電池による火災を防ぐためには、正しく処分することが大切です。リチウム電池は、燃えるごみとしてはもちろん、燃えないごみとしても捨てることはできません。処分方法は自治体によって異なりますが、家電量販店などにあるリサイクルBOXに持っていくという方法が一般的です。

いまや生活に欠かせないモバイルバッテリー。処分方法までしっかりと確認し、火災を防ぎましょう。

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