防災士の連携強化 茨城・日立市 173人がネットワーク設立

気象災害と備えについて学んだキックオフ研修会=日立市神峰町

■講演や意見交換

災害時に地域のリーダー役として期待される「防災士」の技能向上や互いの連携強化に向けて、茨城県日立市は「ひたち防災士ネットワーク」を立ち上げた。大規模災害が各地で発生する中、研修会や事例発表などの機会を通して防災に関わる人材を育て、地域の防災力を高める狙いがある。

防災士は日本防災士機構が認証する民間資格。災害に関する知識と技能を得て、住民への啓発活動や災害時の避難誘導、救援活動などに関わることが期待されている。同市には県内自治体別で3番目に多い335人いる。

ネットワークは、災害時に高齢者の安否確認や避難所運営を支える各地域の自主防災組織とは区別化を図る。会員の防災士は、自主防災組織が行う訓練や災害対応をサポートすることを想定している。

会員同士の連携やスキルアップを目的に、年2回ほど講演会や訓練、意見交換の場などを設ける。会員の負担を軽くするため役員や総会などは省き、「強制なし、年会費なし」を原則に運営。事務局は市が担い、1日時点で173人の防災士が登録している。

3日に同市神峰町の市消防本部で開かれたキックオフ研修会には会員約130人が参加。気象予報士の福嶋アダムさんが講師を務め、昨年9月の台風13号に伴う大雨被害を例に、線状降水帯の発生メカニズムや、災害発生リスクが分かる気象庁サイトの活用法などを学んだ。

高校生の娘と親子で参加した防災士の女性(41)は、地元で小学生らに防災の知識を伝える少年団を立ち上げて活動中といい「地域に戻ってお年寄りや子どもたちに災害情報の取り方などを伝えたい」と話していた。

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