米国株式市場=急落、予想上回るCPI上昇率で利下げ観測後ずれ

[13日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価指数が急落した。1月の消費者物価指数(CPI)の予想を上回る伸びにより早期利下げ観測がさらに後退し、米国債利回りが上昇したことが響いた。

労働省が発表した1月のCPIは前年同月比3.1%上昇と、伸びは前月の3.4%から鈍化したものの主に住居費の上昇で市場予想の2.9%を上回った。

ダウ工業株30種は、約11カ月ぶりの大幅な下落率を記録した。

US・バンク・ウェルス・マネジメントの株式担当チーフストラテジスト、テリー・サンドベン氏は、CPI統計が依然としてインフレ圧力を示す内容だったことが株価下落につながったと指摘。「高インフレの長期化は連邦準備理事会(FRB)にとって逆風となる」と述べた。

CMEのフェドウオッチによると、FRBが5月に25ベーシスポイント(bp)以上の利下げを行う確率は36.1%と、CPI発表前の約58%から低下。市場が織り込む6月の利下げ確率は74.3%となった。

米国債利回りが幅広い年限で2カ月ぶりの高水準を付けたことを嫌気し、金利動向に敏感なマイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズなどの大型株が軒並み値を下げた。

マイクロン・テクノロジー、クアルコム、ブロードコムなど大半の半導体関連株も売られ、フィラデルフィア半導体指数は2%下落した。

株式相場は、年初からFRBが5月にも利下げを開始するとの期待感で上昇を続けてきた。S&P総合500種は前週末に終値で初めて5000台に乗せ、ダウも最高値圏内にある。ナスダック総合は前日に、2021年11月に付けた終値での最高値を上回った。

S&P500の業種別指数では不動産、一般消費財、公益事業が下げを主導。不動産は2カ月余りぶりの安値を付けた。

アンリミテッド・ファンズのボブ・エリオット最高投資責任者(CIO)は「FRB理事の多くは、過去数週間に市場が織り込む今年前半の利下げが早計かもしれないと示唆してきた。CPI統計はこの見方を再確認する内容だった」と述べた。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は、昨年11月以来の高水準を付けた。

格安航空会社(LCC)ジェットブルー航空は21.6%急伸。米著名投資家カール・アイカーン氏が同社株9.91%を保有していると公表したことが買い材料視された。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を10対1の比率で上回った。ナスダックでは4.9対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は129億株。直近20営業日の平均は117億1000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 38272.75 -524.63 -1.35 38699.17 38699.17 38039.86

前営業日終値 38797.38

ナスダック総合 15655.60 -286.95 -1.80 15598.88 15770.42 15551.44

前営業日終値 15942.55

S&P総合500種 4953.17 -68.67 -1.37 4967.94 4971.30 4920.31

前営業日終値 5021.84

ダウ輸送株20種 15785.77 -424.69 -2.62

ダウ公共株15種 829.38 -15.34 -1.82

フィラデルフィア半導体 4468.18 -91.86 -2.01

VIX指数 15.85 +1.92 +13.78

S&P一般消費財 1417.96 -28.35 -1.96

S&P素材 520.50 -7.45 -1.41

S&P工業 981.04 -10.03 -1.01

S&P主要消費財 772.89 -7.68 -0.98

S&P金融 643.54 -8.33 -1.28

S&P不動産 235.96 -4.41 -1.84

S&Pエネルギー 635.13 -7.36 -1.15

S&Pヘルスケア 1665.05 -14.59 -0.87

S&P通信サービス 270.98 -3.69 -1.34

S&P情報技術 3655.37 -57.88 -1.56

S&P公益事業 304.00 -5.22 -1.69

NYSE出来高 10.74億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 37700 - 430 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 37685 - 445 大阪比

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