手に穴が!「永井秀幸 とびだす!ふしぎな3Dアートの世界」宝塚市立文化芸術センター

『飛び出すイルカと少女』2020年 

平面の紙に描いたのに立体的に見える3Dアートの作品を手掛けるアーティストで絵本作家でもある永井秀幸の作品を集めた「特別展 永井秀幸 とびだす!ふしぎな3Dアートの世界」が、宝塚市立文化芸術センターで開かれている。2024年2月25日(日)まで。

【写真】「永井秀幸 とびだす!ふしぎな3Dアートの世界」をのぞき見!

永井秀幸さんの作品を視点や身体を動かして、左から、右から、正面からといろいろな角度から見てみると、ある位置で、まるでそこに存在するかのように立体的に見える。永井さんは、独学で絵を学び、2012年からスケッチブックから飛び出して見える3Dアートの作品を中心に制作を行っている。8BからHBの鉛筆のほか色鉛筆も使い、濃淡や陰影をつけながら描いていくと、描かれたものが浮かび上がってくる。会場にはそんな3Dアートの作品約90点が並ぶ。

今展のために描かれた『3Dアートx宝塚市立文化芸術センター』には宝塚市花のスミレやダリアも見ることができる。「当センターにはガーデン(庭)があるので、(永井さんは)それをイメージして描いたそうです」と、宝塚市立文化芸術センターのキュレーター・山口由香さんは話す。永井さんも「作品や絵本に登場するキャラクターが宝塚市立文化芸術センターに遊びに来たというイメージで描いた。スミレとダリアの花の手入れを行いつつ、会場にらくがきを残していこうとする無邪気なキャラクター達の様子を想像してみてほしい」と言う。

どの作品も「ある角度から」見ると3Dに見える。さらにスマートフォンなどのカメラ越しに見ると、より立体感を感じられる。山口さんは「人間の目はいろんな所に焦点が合うが、カメラの焦点はひとつ。カメラを通してみることで、違う世界が広がる」と言う。

例えば「L字」作品は、2冊のスケッチブックを角度をつけて置き、そこに描いているので、思わぬところで線に角度がついていたりする。その線が自然な線に見えるポイントが、3Dアートのベストポジションとなる。

会場内の作品はすべて撮影可能で、手に取ることができる作品もある。山口さんは「写真で楽しむのもいいが、会場内にあるのはすべて原画なので、鉛筆の筆感や筆圧、濃淡、陰影も注目してほしい」と話す。

「特別展 永井秀幸 とびだす!ふしぎな3Dアートの世界」
宝塚市立文化芸術センター 2階メインギャラリー(宝塚市武庫川町7-64)
2024年2月3日(土)~25日(日)
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日 水曜日
観覧料: 一般(高校生以上) 1,000円 中学生以下 無料
公式WEBサイト http://takarazuka-arts-center.jp/

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