「家計運営」は社会人1年生からしっかり実践しよう! キャッシュレス決済で気をつけるべきこと

キャッシュレス決済が急速に普及

2年前までの新型コロナパンデミックを機に、これまで現金支払いがメインだった日本でもキャッシュレス決済が一気に普及しました。経済産業省によると、2022年のキャッシュレス決済比率は36.0%まで上昇し(うちクレジットカードが30.4%、電子マネーが2.0%、コード決済が2.6%)、2025年までにキャッシュレス比率を40%にまで引き上げたいとする政府目標達成まで目前です。

硬貨・紙幣を直接やり取りすることもなくなり、衛生面でも好ましいことかと思いますが、キャッシュレス決済は「お金を支払った感覚が薄れる」という副作用もはらんでいます。手元に現金がなくても欲しいモノがあれば、時や場所を選ばず買うことができるため、かつてのように「給料日前だから財布のヒモを締めていく」という考えでない方もいるかもしれません。

資産がなければ給料の先食い

すでに預貯金が十分にあって、給与支払日など気にせずにお金を使うことができれば問題はありませんが、働き始めてまだ日も浅く、給与で毎月の家計を回していく若年層にとっては、「キャッシュレス決済」で特にクレジットカード決済をするたびに、支出額を把握しておくべきでしょう。

そんなことは分かりきっていると思いがちですが、実は毎日立ち寄るコンビニでの買い物など、1回の支払いが少額なだけに見過ごしてしまいがちなのです。

リボ払いは要注意

リボ払いを設定していると、毎月の支払いには上限がかかるので負担感は薄れますが、いつまでたってもローン返済から解放されないという事態に陥ります。例えば、入社2年たって「クルマを購入したい」と思ったときに、知らない間にたまったリボ払いが障害になって購入できなかったということにもなりかねません。

リボ払いが長期化すれば、それだけ利息も積み上がっています。購入したモノや旅行に使ったお金ならば支払うのが当然ですが、何年も前に購入したモノの利息支払いがいつまでも続くのは、抵抗があると感じるのではないでしょうか。

例えば、10万円の買い物をして、元金の返金を5000円リボ払いで返済するとすれば、月々は6000円を上回る程度ですが返済完了まで20ヶ月を要します。ただし、この間に追加的なクレジットカードでの買い物をしないということが前提です。別の買い物をしたり、旅行代金をカードで支払いをしたりするなどすれば当然返済完了までの期間は延びます。

社会人になって、健全な家計運営をスムーズに行えるように、ちょっとした心掛けを身につけていくことが大切でしょう。

出典

経済産業省 2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました

執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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