勝負強さも戻ってきた大坂なおみ、4本のセットポイントを凌ぎ67位にストレート勝ち! 復帰後初の連勝を飾る<SMASH>

産休を経てカムバックを遂げた元世界ランク1位の大坂なおみ(現757位)が復帰4大会目として臨んでいる女子テニスツアー「カタール・トタルエナジーズ・オープン2024」(2月11日~17日/カタール・ドーハ/ハードコート/WTA1000)。現地13日にシングルス2回戦が行なわれ、大坂は世界67位のペトラ・マルティッチ(クロアチア)と対戦。6-3、7-6(9)で勝利し、ベスト16進出を決めた。

今大会にはスペシャルランキング(妊娠・出産を経た選手に与えられる救済措置)46位を活用して参戦している大坂。12日の1回戦では1月の全豪オープン(四大大会)初戦で敗れていた元世界4位のカロリーヌ・ガルシア(フランス/現21位)に対するリベンジに成功し、価値ある復帰後2勝目を手にしていた。

2回戦で大坂が対峙したのは33歳のマルティッチ。20年にはキャリアハイの世界14位をマークしたベテランの実力者だ。両者の対戦は過去1度だけで、14年7月の「バンク・オブ・ザ・ウェスト・クラシック」(アメリカ・スタンフォード/WTAプレミア)予選2回戦では大坂が勝利している。実に約9年7カ月ぶりの顔合わせとなった今回の対決でも、大坂が粘りのプレーで接戦をものにした。

立ち上がりから大坂は得意のサービスを軸にポイントを重ねて流れを作り、第4ゲームではラブゲームブレークに成功。サービスゲームでの失ポイント数をわずか5に抑えるなど抜群の安定感を見せ、幸先よく第1セットを先取した。
第2セットは一転して互いにブレークを2つずつ取り合うシーソーゲームとなる。そのまま突入したタイブレークでは大坂がいきなり4連続ポイントを許すなど劣勢に立たされ、先に相手に3連続のセットポイントを握られてしまう。

ここから元女王が猛反撃。立て続けに4ポイントを奪ってこのピンチを切り抜けると、以降はマッチポイントとセットポイントが行き来する激しい展開に。4本目のセットポイントも凌いだ大坂は、最後には持ち前の勝負強さを発揮して3本目のマッチポイントを決めきり、1時間45分の熱戦を制した。

復帰後初となるツアーでの連勝を飾った大坂は、ベスト8入りを懸け3回戦でレシア・ツレンコ(ウクライナ/37位)と対戦する。ツレンコは2回戦で第4シードのオンス・ジャバー(チュニジア/6位)を破っていることもあり厳しい戦いが予想されるが、次戦も大坂の奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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