パキスタン、与党が連立政権樹立へ カーン氏と対立する政党が協力

パキスタンで8日にあった総選挙の結果を受け、ナワズ・シャリフ元首相とビラワル・ブット前外相がそれぞれ率いる2政党が13日、連立政権の樹立で合意した。

ブット氏の「パキスタン人民党(PPP)」は、シャリフ氏の与党「イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)」が首相を選出するのを支援すると表明した。

PPPのアシフ・アリ・ザルダリ共同総裁は記者会見で、PML-Nとは選挙戦で対立していたが、国家の利益のため力を合わせると説明。「永遠に戦う必要はない」と述べた。

PML-Nは声明で、政治的安定のために両党が協力することで合意したとした。

両党は、2022年にイムラン・カーン元首相(汚職の罪などで服役中)を政権の座から降ろした連立政権で協力関係にあった。

今回の選挙では、カーン氏が率いる「パキスタン正義運動(PTI)」が推す無所属候補らが、投票で直接選ばれる266議席のうち93議席を獲得。大方の予想に反し最も多くの議席を獲得した。

シャリフ氏が党首を務めるPML-Nは75議席で2位、ブット氏のPPPは54議席で3位だった。

このほか、女性と非イスラム教徒のために確保された70議席があり、各党に議席が割り振られる。これら追加議席は無所属候補には与えられない。

こうした結果から、どの政党が政権を樹立するのか不透明な状況だった。

カーン氏側は選挙不正を主張

PML-Nの関係者によると、シャリフ党首は弟のシャバズ氏を首相に指名する予定だという。この兄弟はともに過去に首相を務めている。

ブット氏は、PPPとしてPML-Nの首相選出には協力するが、閣僚は出さないとしている。

カーン氏とPTIは、選挙が同氏と同党に不利になるよう操作されたと主張しており、結果に異議を唱える意向を強調している。

カーン氏は、「盗まれた票で政権を樹立するといった不謹慎な行為に警告を発する」とコメント。

「そうした白昼堂々と行われる強盗は、市民を軽視しているだけでなく、国の経済をさらに下降スパイラルに追い込むことになる」とした。

(英語記事 Pakistan election: Imran Khan's rivals PML-N and PPP reach deal to form government

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