優勝ご褒美は…平安衣装の着付け‼ 兵庫県立小野高校で伝統の百人一首大会、260人熱戦 みやびな装束「重かった」

十二単姿の徳平悠里さん(左)と衣冠束帯の小島徠智さん=小野高校

 小野高校(兵庫県小野市西本町)で恒例の百人一首大会があり、1年生約260人が参加した。個人戦男女の優勝者は衣冠束帯と十二単(ひとえ)の着付けを体験する習わしで、今年はともに硬式野球部の小島徠智(らいち)選手(16)と徳平悠里(ゆうり)マネジャー(16)が優勝。舞台上で衣装を着せてもらい、平安時代の気分に浸った。

 古典や歴史文化への関心を高め、親睦を図る伝統行事。コロナ禍の中止を挟み昨年再開した。体育館で教員が和歌を交代で読み上げる中、生徒は真剣に札を取り合い、歓声を上げた。

 クラス対抗戦でも競い、各学級が決意表明の歌を披露。3組は「四十種三組色が重なりてあらわれわたる煌(きら)めく持ち味」と宣言し優勝、1組は「持ち前の勝負強さで圧倒す勝利をつかむはわが一組なり」と歌って、準優勝した。

 個人戦の優勝者は舞台に上がり、ボランティア4人の着付けで重ね着していく様子を全員に見せた。好古館の藤原友子学芸員が解説し、十二単も実際は12枚着るわけではないことや、男女とも衣装は重さ約10キロになることなどを説明した。

 徳平さんは「百人一首は全部覚えていて自信はあった。衣装は重かった」、小島さんは「接戦を何とか勝てた。衣装は重くて暑かった」と話した。(坂本 勝)

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