山本二三さん追悼展 遺作「漫画勘次ケ城」原稿など展示 長崎・五島の美術館、3月10日まで

山本さんの遺作「漫画勘次ケ城」の原稿を展示している追悼展=五島市、山本二三美術館

 長崎県五島市出身のアニメーション映画美術家で、昨年8月に亡くなった山本二三さんの追悼展が、同市武家屋敷2丁目の山本二三美術館で開かれている。遺作となった「漫画勘次ケ城」の原稿など約60点が3月10日まで並ぶ。
 山本さんは映画「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」など日本を代表する名作アニメ作品で美術監督として背景画を手がけた。2021年1月には、ライフワークとして五島列島の自然や人々の暮らしを描いた作品群「五島百景」を約10年かけて完成させた。
 「漫画勘次ケ城」は、五島に伝わる民話を基にした物語で、長男鷹生さんが脚本を担当。下書きは約2年間、亡くなる1週間前まで制作していたという。120ページほど描いており、最後の1ページを残すだけだった。
 追悼展では、未公開の原稿11点や登場するキャラクターの等身大パネル、五島で過ごした子どものころから近年までを振り返る写真などを展示している。
 主催する市教委とマウンテンブック(山本鷹生代表)は「二三氏にとって生きることは絵を描くことだった。絵にかけた人生と情熱を感じてほしい」としている。

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