移転候補地で説明会…市立病院移転計画で蕨市長「市民の声を聞きながら進める」 診療科目は今後検討へ

頼高英雄市長が市民に直接説明した市立病院移転建て替えに関する市民説明会=6日午後、埼玉県蕨市錦町の西公民館

 蕨市立病院移転に関する市の説明会が6日、埼玉県蕨市錦町の西公民館集会室で行われ、頼高英雄市長が計画の概要を説明し、市民の質問に答えた。

 蕨市立病院は昨年11月、老朽化などから現在の同市北町2丁目から、2028年度内を目標に、同市錦町に移転建て替えする方針案が発表された。移転候補地は現在、西公民館、松原会館がある敷地。24年度末までに基本構想、基本計画が策定され、25年度に基本設計、26年度に実施設計を行い、27~28年度、約2年間の工事が行われる。現在の西公民館、松原会館は市民から寄付のあった同市錦町内の別の土地に移転し、複合施設として整備される。

 頼高市長は「市立病院建て替えは市民生活や蕨の将来に関わる重要な問題で市にとって大きな事業。広く市民の理解をいただき、声を聞きながら進める」とあいさつし、これまでの経緯を説明した。

 説明を聞いた市民は「現在の病院の跡地利用はどうするのか」「新病院の診療科目はどうなるか」などと次々に質問。頼高市長は移転後の現病院跡地は売却などの予定はなく、利活用については現時点では未定であること、新病院の診療科目は、市民の声や医師確保も念頭に、新年度の基本構想・基本計画策定の中で検討するなどと答えた。

 騒音や振動が懸念されることから、工事計画について詳細な情報提供を求める意見も出され、頼高市長は「丁寧に説明する」と応じていた。

 市は市立病院移転に関する市民説明会を全5回実施するとしており、移転候補地の西公民館で行った同日の説明会が3回目。

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