群馬・高崎市で合宿のウクライナ新体操選手団が岸田首相を表敬訪問 

岸田首相(左から4人目)を表敬訪問したウクライナ新体操の選手団と富岡市長(右)ら

 ロシアによる軍事侵攻が続く中、安全な練習環境を求めて群馬県高崎市で合宿しているウクライナ新体操選手団の代表が13日、首相官邸に岸田文雄首相を表敬訪問し、日本の支援に対する感謝を伝えた。

 官邸を訪れたのは、ヘッドコーチのデリューギナ・イリナさん(66)、オノプリエンコ・ビクトリア選手(20)ら5人。国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長と同市の富岡賢治市長が同行した。

 デリューギナさんは岸田首相を前に「戦争が始まって以降、高崎でトレーニングをさせてもらっている。皆さんの支援に感謝している。使用している高崎アリーナは世界でも類を見ない素晴らしい施設だ」と謝意を述べた。

 岸田首相は「スポーツは人々の心に喜びや感激を与える。アスリートの皆さんの活動が阻害されることはあってはならない」と強調し、「ロシアによる侵略は国際秩序を揺るがす暴挙。日本は今後もロシアに対する厳しい制裁と、ウクライナへの力強い支援を続けていく」と伝えた。

 岸田首相を訪問後、富岡市長は報道陣に対し、「苦しい環境下にあった選手たちを受け入れて3年になる。選手たちが高崎を『第二の故郷』と思ってくれているのはうれしい。市民も誠心誠意、選手たちを迎えてくれている」と語った。

 選手団は1月17日から今月14日までの日程で同市に滞在。個人や団体でパリ五輪出場が決まっている選手もおり、高崎アリーナを拠点に練習に励んでいる。選手団の滞在は2022年と23年に続き3度目。

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