ケージ入る訓練、日頃から 災害時のペット避難学ぶ 白石町で講座

ペット避難に不可欠なケージ(中央)についても説明があったペット防災講座=白石町総合センター

 災害時のペット避難の実情や備えを学ぶ「ペット防災講座」が12日、白石町総合センターであった。能登半島地震ではペットとの避難の難しさも課題になっているが、石川県で支援を続けているNPO関係者が、犬や猫の避難にはケージが欠かせないので普段から入る訓練をしておくことや、飼い主同士の協力や避難所運営への参加が大切なこともアドバイスした。

 大町町の「MORE WAN(モアワン)」でペット避難所運営や災害救助犬を育成しているNPO「日本レスキュー協会」が開催。能登半島地震で支援活動している辻本郁美さんが、約30人の参加者に話した。

 辻本さんは、被災地の多くの避難所でペットと「同行」はできても一緒にいる「同伴」は難しいことが多く、避難を断念したり、車中泊を続けている世帯がある実態を報告。珠洲市の公民館の床面をブルーシートで養生して同伴できる避難所を開設、運営し、県獣医師会と連携する巡回診断もあることなどを説明した。

 避難時は「ケージ待機が必須で日ごろからの訓練が大切」とし、室内飼いでもケージを置いて「安心できる場所」として日常使いしておくことや、用意する物にワクチンの接種記録や薬、食欲がない時に有用なウエットフード、消臭うんち袋を加えることも薦めた。

 心構えとしては「避難所はホテルではなく運営者(行政)と協力してつくり合うことが必要」と、自助や飼い主同士の共助が大切なことを強調した。

 参加者は「用意すべき物を用意し、運営に加わることの重要さが実感できた。『ホテルじゃない』の言葉が響いた」「ケージを『病院に行く時の嫌な部屋』にしてはいけないことにハッとさせられた」などと感想を話した。(小野靖久)

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