長崎県が新年度予算案を発表 一般会計は7348億円 「新しい県づくり」へ部局横断の4事業も

2024年度長崎県当初予算案

 長崎県は13日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計総額は23年度比2.2%(167億円)減の7348億円。「新しい長崎県づくりのビジョン」実現に向け、複数の部局が横断的に取り組む特別事業に計1億7700万円を計上した。20日開会予定の定例県議会に提出する。
 同ビジョンは県が策定を進めており、「10年後のありたい姿」を5分野で設定する方針。初年度の特別事業として▽「こども」=こども場所等官民連携(2800万円)▽「交流」=マニアが集う長崎(3600万円)▽「イノベーション」=空飛ぶ未来を拓(ひら)くドローンワールド(7100万円)▽「食」=長崎・食の賑(にぎ)わい創出(4200万円)-の4プロジェクトを掲げた。
 会見で大石賢吾知事は「始まりの年になるので、体制整備や基盤づくりがメイン。今後の礎になる」と述べた。同ビジョンには「健康」分野も掲げるが、県は「(部局横断的な)事業として挙げられなかった」との理由で計上を見送った。
 県総合計画を推進する事業も展開。大石知事が「一丁目一番地」に掲げる子ども関連施策では、保育士や幼稚園教諭らの処遇改善に向けた県独自の支援制度創設に2億1800万円を盛り込んだ。県版デジタル社会の実現や戦略的な情報発信、産業振興、自然災害対策にも注力する。
 県財政課によると、予算総額は新型コロナウイルス対策費の減少に伴い前年を下回ったものの、5年連続で7千億円台となった。歳入は前年度比2.3%減の7169億円。財源不足は前年度並みの180億円で、県の貯金に当たる財政調整3基金を取り崩して補う。県民1人当たりの県債残高(臨時財政対策債除く)は、23年度2月補正後と比べ4千円増の67万3千円となる。
 23年度一般会計補正予算案も当初予算案と一体的に編成。地域公共交通のデジタル化支援(1億500万円)、学校給食費支援(2600万円)など、物価高騰を受けた総額27億4700万円の経済対策を盛り込んだ。

© 株式会社長崎新聞社