司馬遼太郎さんしのび 児童らが作品を朗読 文学碑前で「長崎菜の花忌」

文学碑の横で司馬作品を朗読する児童=長崎市、風頭公園

 代表作「竜馬がゆく」などで知られる作家司馬遼太郎(1923~96年)をしのぶ「長崎菜の花忌」が12日、長崎市の風頭公園にある文学碑前であった。地元有志が作品を朗読し、司馬の文学世界や長崎とのかかわりに思いをはせた。
 碑は98年、司馬の業績をたたえようと「亀山社中ば活かす会」(針屋武士会長)が、同公園の坂本龍馬像前に建立。「竜馬がゆく」の一節、竜馬が長崎港に入る場面を刻んでいる。長崎菜の花忌は99年から毎年、命日(2月12日)に合わせて開き25回目。
 今年は会員ら約50人が参加した。市立伊良林小の児童8人は「二十一世紀に生きる君たちへ」、瓊浦高の生徒2人は「菜の花の沖」、会員1人は「竜馬がゆく」を朗読。参加者全員で司馬が好きだったという菜の花を碑に手向けた。
 伊良林小6年の井上杏さん(12)は「(文章から)私たちは未来を任されたと責任を感じた」、白倉雪那さん(11)は「これから作品を読んでもっと司馬遼太郎の思いを学びたい」と話した。

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