能登地震受け、屋内退避が論点に 原発事故の指針見直し開始

原子力規制委の定例会合=14日午前、東京都港区

 原子力規制委員会は14日の定例会合で、原発事故時の住民避難や被ばく防護策をまとめた原子力災害対策指針を見直す議論を始めた。能登半島地震を受け、地震や津波と原発事故が重なる複合災害が起きた際の屋内退避について、対象範囲や実施期間、解除や避難への切り替えを判断する基準などを論点とする。自治体や外部専門家、内閣府などを交えた検討チームを設置する。

 指針では大量の放射性物質が放出される場合、原則として原発の5キロ圏内の住民は避難、5~30キロ圏内は屋内退避としている。指針は東電福島原発事故を踏まえ規制委が策定し、これを基に各自治体が避難計画をつくっている。

 会合では委員から「被ばく防護には基本的に避難と屋内退避しかない。その組み合わせの効果をどう最大にするかを議論すべきだ」「道路状況など地域の状況を踏まえることが重要だ」といった意見が出た。

 能登半島地震では家屋の倒壊や道路の寸断が相次いだ。原発の立地自治体からは屋内退避や避難の考え方について検討を求める声が上がっている。

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