韓国代表クリンスマン監督、政界から更迭論も「違約金」ネック 米国在住「在宅勤務」にも不満噴出

サッカー韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督(59)の去就に注目が集まっている。複数の韓国メディアによると、韓国サッカー協会は2024年2月13日にクリンスマン監督の去就をめぐり自由討論を行い、15日に代表戦力強化委員会を開くことを発表した。同委員会は1月にカタールで開催されたAFCアジアカップの代表チームを評価することにしており、米国に滞在中のクリンスマン監督はオンラインで会議に出席する。

「関心はクリンスマン監督が更迭されるかどうかに集中」

複数の地元メディアによると、韓国サッカー協会はクリンスマン監督の指導力に懐疑的で、13日に行われた元選手の役員らによる自由討論では、クリンスマン監督「続投」では厳しいという意見が多数あったという。韓国はアジアカップで64年ぶりの優勝を目指したが準決勝でヨルダンに0-2で敗れ、インターネットでクリンスマン監督の更迭論が高まった。

「東亜日報」(WEB版)は、「15日に行われる代表戦力強化委員会での関心は、クリンスマン監督が更迭されるかどうかに集中している」とし、「サッカー協会執行部は代表戦力強化委員の評価と意見を基にクリンスマン監督の去就を最終決定する方針だ」と伝えた。

同メディアは、クリンスマン監督の更迭論が高まっている要因としてアジアカップベスト4敗退の他に「在宅勤務」を挙げた。クリンスマン監督は韓国滞在よりも自宅のある米国カリフォルニア州に滞在していることが多く、複数のメディアは「代表監督としてふさわしくない」と指摘する。一部ファンもクリンスマン監督の「在宅勤務」に不満を抱いており、アジアカップの成績を受け更迭論が加速したとみられる。

「ハンギョレ」(WEB版)は「クリンスマン監督の更迭、15日に決着がつくか」などのタイトルで記事を公開。記事では「アジアカップで国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位の韓国が87位のヨルダンに完敗した」とし、「サッカーファンはもちろん政界でもクリンスマン監督の更迭を求める声が相次いだ」と伝えた。

アジアカップ16強以下なら違約金なしで更迭できた

スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は、「韓国サッカー協会はクリンスマン監督の更迭の流れに傾いている」とするも、クリンスマン監督との契約金が更迭のネックになっているとの見解を示した。

同メディアによると、アジアカップ16強以下だった場合、サッカー協会が違約金なしで更迭することができたが、8強以上の場合、クリンスマン監督は違約金を請求することができるという契約だったという。韓国はベスト4だったため、この時点で更迭すれば26年7月までの残りの契約期間の2年5カ月分の70億ウォン(約7億8000万円)を支払わなければならないとした。

さらにクリンスマン監督を更迭した場合、コーチ陣も一掃されるためコーチ陣の給与を合わせると100億ウォン(約11億円)近い数字になるという。

同メディアは「違約金は重要ではない」と主張し、「クリンスマン監督は変化を拒否した。今後も希望がないという意味だ」と指摘。さらに「沸騰している史上最大級の怒りを見過ごせば、より大きな怒りを招く可能性がある」とし、クリンスマン監督の更迭は避けられない状況にあるとした。

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