シニア世代の子ども30代〜50代に聞いた「実家の空き家問題」

社会問題となっている空き家。現在、国内に800万戸以上の空き家がある※ことをご存じでしょうか。空き家は全国にある物件の14%近くを占めており、年々深刻化しています。

空き家はシニア世代にとって他人事ではありません。自分の子に持ち家を相続した場合、空き家になる可能性があるからです。

日本およびアジア地域でリユース事業を展開する(株)エコリングは、空き家問題に直面している・もしくは今後直面する可能性のある人に対して「実家の活用や処分についての調査」を実施しました。

※総務省統計局『平成30年住宅・土地統計調査 特別集計』

シニアの子世帯30代後半から50代後半に聞いた「実家の空き家問題」について

空き家問題に対する危機感について

はじめに、「空き家問題」の認知度を調査。最多の回答は「言葉・内容もなんとなく知っている(61.0%)」でした。「言葉も内容もよく知っている(27.0%)」とあわせると、約9割は認知はしていることがわかります。ニュースのみならず、自身の親が持ち家を所持していることが空き家問題への関心を高める理由なのかもしれません。

次に、「空き家があることでの起こり得る問題で、聞いたことがあるもの」について尋ねると「ごみの不法投棄(72.7%)」「草木や雑草の繁茂(71.6)」という回答が多く集まりました。

また、人的被害については、「不審者の出入りや住みつき(62.5%)」という回答が多数。実際に、空き家問題では不審者の出入りによって犯罪の巣窟になることが懸念されています。

シニア世代の親が亡くなった後の実家の対応について

では、実際に親と亡くなった後の実家をどうするのか話したことがある人はどれくらいいるのでしょうか。

最多は「話したことがない(57.0%)」という回答。「話したことはあるが、決まっていない(29.0%)」を含めると、9割近くの人が今後について曖昧な状態です。

現状、実家を将来どうする予定なのか尋ねると、「まだわからない(41.0%)」という回答が最多でした。「売却する(25.0%)」「親戚や兄弟が住む(21.0%)」と回答した人はいるものの、今後のことが決まっている人は少ないようです。

前問で「そのままにしておく」「まだわからない」と回答した人に理由を伺ったところ、「今まで特に考えたことがなかったから(53.3%)」「何をするにも手間がかかりそうだから(33.3%)」「何をするにもお金がかかりそうだから(31.1%)」という回答が集まりました。遺言書や相続人の確認などの法的手続きも多く発生することから、何も対応ができていないことが多いと見受けられます。

しかし、実家をそのまま放置してしまうと「特定空家」に指定されてしまいます。そうなると固定資産税の増額や罰則が発生するため、早めに対策を考えておくのが良いでしょう。

Q4では、自身が実家に住むと回答した人は7.0%とごくわずか。大半は住まないと選択をしています。その理由を探った結果、最多の回答は「既にマイホームを持っているから(59.1%)」でした。さらに、遠方に住んでいるという理由から住めないと判断した人も多いようです。また、「家が古く、老朽化しているから(15.1%)」という声もありました。

実家を手放す際に苦労しそうな点は?

実家を手放す場合、特に大変そうだと思うことを聞いてみると「家財の整理(72.0%)」「法的な手続き(54.0%)」「お金まわりの確認・対応(34.0%)」という回答が集まりました。法的手続きよりも家財の整理を懸念事項と考えている人が多いようです。実家に物が多ければ、なおさら頭が痛くなるのでしょう。

最後に、家財の整理の中で、特に困りそうだと思うものについて質問。すると最多の回答はは「家具・家電(84.0%)」、次いで「着物・衣類(56.0%)」「小物やアクセサリー(30.0%)」という結果となりました。

以上、「実家の活用や処分についての調査」でした。シニア世代を親に持つ子世帯は早いうちに準備を進めておくことをおすすめします。今のうちに情報収集や専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

<調査概要>
調査概要:実家の活用や処分についての調査
調査期間:2024年1日22日(月)
調査機関:WEBアンケート(設問選択・記述式)
調査対象:親が持ち家に住んでおり、自身とは別居している全国の30代後半~50代の男女
調査人数:100人

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