「弁護側は損傷部分を『縄で縛られた』と勘違い」検察側 あくまで袴田さんの単独犯と主張【袴田事件再審第8回公判速報】 

1966年、旧静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で、死刑が確定している袴田巖さん(87)の 再審=やり直し裁判の第8回公判が2月14日、静岡地方裁判所で開かれています。

午後から始まった検察の立証で、検察側は、弁護側が複数犯の犯行だとした点について、あくまで、袴田さんひとりによる犯行と主張。弁護側が「遺体は縄で縛られていた」と主張する点については、「焼けた損傷部分を『縄で縛られた』と勘違いしているだけだ」と縄の存在自体を否定しました。

また、検察側は凶器とされるくり小刀について、取り調べの際、袴田さんは購入先について「富士か?」と問われ、「沼津」と反する供述をし、値段や対応した店員の服装などについても話し、実際にその店で確認したところ、値段が一致したほか、同様の店員がいたことなどが確認されているとし、袴田さんが購入したことを裏付ける供述だとしました。

さらに、「被告人の自白から被告人の無実が証明される」との弁護側の主張は誤っているとし、「真犯人が自白後も、虚実入り混じった供述を続けることは、決して珍しいことではない」と主張、弁護側から「根拠がない」と異議が出ると「経験則から」と再反論する一幕もありました。

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