新作で難役に挑み新境地を開拓する菅田将暉

俳優の菅田将暉が映画「Cloud クラウド」(9月公開)に主演し、監督・脚本を手掛ける黒沢清氏と初タッグを組むことを、各メディアが報じた。

黒沢監督といえば、映画「スパイの妻」(2020年)で「第77回ベネチア国際映画祭」の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。そんな黒沢監督が最新作に選んだのは、顔の見えない社会で拡散する、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンス・スリラー作品。菅田は、同作の出演オファーを即決したそうで、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を演じる。

黒沢監督は菅田について、「主人公吉井良介は、真面目で一途な悪党という、現代日本映画ではほとんど見かけない人物である。キャラクターの分類としては矛盾しているのかもしれない。しかし菅田さんはこの難しい役を極めて繊細に、かつ堂々と演じてくれた」と称賛。

菅田は「生活の中にひそむ、怖さとユーモア。黒沢監督の頭の中が毎日少しずつ開示されていく撮影は、とても楽しく、ぜいたくな時間でした。ピュアでいびつな人間のアクションがたまらない。とにかく完成が待ち遠しい」とコメントを寄せている。

「すでに国内の映画賞は総なめにした菅田だけに、新作ではかなりの難役に挑むことになった。ここに来ての新境地開拓となったが、黒沢監督の作品といえば、海外からも注目されそうで、海外の関係者の目にとまったら菅田の〝海外進出〟もありそうだ。黒沢監督とタッグを組んだのもそれが狙いだったのでは」(映画業界関係者)

昨年公開された、菅田が主演したフジテレビ系のドラマの劇場版「ミステリと言う勿れ」は興行収入48億円を記録するヒット作となった。

同作を見た菅田のファンは「Cloud クラウド」の役柄を見て、そのキャラ変ぶりに驚かされることになりそうだ。

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