65歳雇用、全企業が制度導入 和歌山県内

65歳までの雇用措置の導入企業割合

 和歌山労働局は昨年6月1日現在の高齢者雇用状況を発表した。企業は65歳までの雇用確保制度を設ける義務があるが、調査対象を従業員21人以上の企業に拡大した2021年以降では、初めて全企業が制度を導入した。

 従業員21人以上の1630社からの報告を基に、労働局が集計した。

 「高年齢者雇用安定法」は、65歳までの安定した雇用を確保するため「定年制の廃止」や「定年の引き上げ」、再雇用や勤務延長などの「継続雇用制度」のいずれかの措置を義務づけている。かつては31人以上の企業を調査対象としており、19年と20年は100%を達成したが、21人以上に変更した21年は9社が措置を採らず99.4%、22年は5社が措置を採らず99.7%だった。

 全国では和歌山県を含め16都県が100%となった。前年は9県だった。

 従業員21人以上の全1630社のうち67.5%が「継続雇用制度」を導入。「定年の引き上げ」は27.9%、「定年制の廃止」は4.6%だった。

 「継続雇用制度」のうち、希望者全員を対象としている企業は86.2%(前年比1.3ポイント増)。残りの13.8%(1.3ポイント減)は、対象者を限定(24年度末までの経過措置)しているが、調査日までの1年間では、希望したのに基準に該当せず雇用を終了した人はいなかった。

 また、法律は70歳までの雇用措置や業務委託契約などの努力義務も課している。この措置を実施しているのは全体の28.2%に当たる459社だった。

 定年は、60歳としている企業が最も多く1054社(64.7%)、次いで65歳の380社(23.3%)、廃止が75社(4.6%)、70歳以上に設定しているのが47社(2.9%)などだった。

■60歳以上労働者 全年齢の2割弱

 全年齢の常用労働者数は14万5485人。うち60歳以上は2万7157人で全年齢の18.7%、65歳以上は1万3589人で9.3%を占める。70歳以上は5745人だった。

 2年前と比べ、全年齢は3580人減少した一方、60歳以上は872人、65歳以上は462人、70歳以上は500人増加した。

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