クライミング楽しんで 普及に向けNPOが体験会、和歌山県みなべ

南部高校のスポーツクライミング施設でトップロープクライミングを体験する参加者(和歌山県みなべ町芝で)

 和歌山市を拠点に活動する総合型地域スポーツクラブ「NPO壁ん原人(ぺきんげんじん)」(井上忠史代表)は昨秋から、みなべ町芝の南部高校にあるスポーツクライミング施設を使ってクライミングの体験会を開いている。紀南地方での普及が目的で、参加して魅力に触れてもらいたいという。

 壁ん原人は、地域でのスポーツ振興とともに住民の健康や世代間交流に寄与することを目的に2014年に設立した。井上代表(52)=和歌山市=は県山岳連盟指導委員長も務め、安全に登山することの啓発活動に加え、スポーツクライミング選手の育成に努めている。これまで和歌山市の紀三井寺公園にある施設でクライミングの体験会を開いてきたが、南部高にある施設を有効利用し、紀南地方でもクライミングの魅力をもっと多くの人に知ってもらおうと、昨年11月から体験会を開くようになった。

 1月下旬には2回目の体験会を開き、子どもや大人計20人が参加した。

 施設には、ロープを付けて高さ15メートルの壁をよじ登る「トップロープクライミング」と、ロープなしで傾斜のある壁を登る「ボルダリング」の設備があり、参加者は井上代表らNPOのメンバー6人からサポートを受けてそれぞれ挑戦した。

 前回に続いて参加した田辺市上秋津の小学2年生、砂野和丸君(8)はトップロープクライミングに何度も挑戦。前回同様に10メートル地点でリタイアし「10メートルを超えるという目標は達成できず残念。次に頑張りたい」と悔しそうに話した。6歳の長男と一緒に参加したみなべ町山内の角田麻衣さん(30)は15メートルを一気に登り、うれしそうにしていた。

 今後は2カ月に1回のペースで開く。各回ごとに参加者を募る。次回は3月24日。体験するには保険料として500円が必要。

 井上代表は「まずは楽しんでもらいたい。子どもだけでも、親子そろってでもできる。興味を持てば、選手を目指して頑張ってもらいたい。国体出場も夢ではない」と話している。

 申し込み、問い合わせは田辺市下屋敷町の「STOCK OUTDOOR(ストックアウトドア)」(0739.34.3033)へ。

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