知らないと「違約金」を請求される可能性も…結婚相談所の「復縁」にまつわるルールとは?

<前編のあらすじ>

近藤紗綾さん(仮名・36歳)は結婚相談所に入会後、様々な男性とお見合いをしましたが、なかなか結婚相手を決めることができませんでした。その中で、とても気の合う奥田友也さん(仮名・38歳)と交際もしましたが、結婚には至りません。その後、お互いに「もっといい人がいるかも」という思いを捨てられず、交際を解消してしまいます。

しかしその1年後、お互い未婚のまま偶然再会した2人は相性の良さを再確認し、改めて交際をスタートさせることに。しかし、その時点で友也さんは既に結婚相談所を退会していました。

●前編:【「条件の良い人には会っているけど…」婚活初心者にありがちな“チャンスを逃す”考え方】

結婚相談所の復縁にまつわる“あるルール”

ここで、結婚相談所のルールについてお話ししたいと思います。多くの結婚相談所では、そこで知り合った人とお別れした後、内緒で結婚交際をしてはいけないというルールがあります。もしルールを破ると、結婚相談所から「違約金」を請求される場合もあります。

紗綾さんはまだ結婚相談所の会員でしたが、友也さんは既に退会していたので、交際を再開することはルール上できません。そこで紗綾さんは、友也さんに結婚相談所に入会し直すことを提案しました。

仮に交際をしたとしても結婚相談所にバレない可能性もあります。確かに、世の中には「黙っていればわからないよ!」とルールを守らない方もいらっしゃいます。ですが「せっかくの門出を一点の曇りもないものにしたかった」と紗綾さんは言っていました。

まじめで誠実なお人柄に幸せは宿るものです。そのような紗綾さんだからこそ、友也さんももう一度交際をしたいと思ったのではないでしょうか。その後、紗綾さんと友也さんの交際は順調に進み、晴れてご成婚になりました。

結婚相談所へ入会後、元妻から復縁を求められ……

結婚相談所の「復縁」にまつわる事例の2つ目は、大津翔太さん(仮名・47歳)のお話です。

翔太さんは某国立大学を卒業されて大手の会社に勤めていました。5年前に離婚をして、1年前から結婚相談所で活動をしていました。彼は理系で複数の資産もあり、年収も1000万円以上。性格も穏やかで、「この人を手放してもいいのですか?」と言いたくなるほどの人でした。

そのため、婚活を始めるとお見合いは順調で、真剣交際になった方と結婚が決まりかけていました。しかし、なんとそのタイミングで、元妻が復縁を迫ってきたのです。

元妻は会社員でそれなりの収入があったので、中学生の子どもを引き取り、翔太さんから養育費をもらっていました。「1人でも十分やっていけるわ」という方だったそうです。離婚の理由は「性格の不一致」ということでした。

おっとりとして優しい申し分のない翔太さんですが、元妻からは「やることが遅い!」「きちんとできない、雑!」と感じ、日常的にののしられていたそうです。翔太さんは最後まで離婚をしたくなかったのですが、結局奥さんが子どもを連れて家を出る形で離婚となりました。

「子供のために」と決意した復縁

そんな元妻が復縁を迫ってきたのは、会社を解雇されて収入がなくなり、生活に困っていたからです。子どものこともあるからと「復縁をしたい」と言ってきたそうです。

翔太さんは2週間ほど考えて、「幸せ度で言えば30%だけれど、子どものこともあるから復縁しよう」と決めました。そして交際中の方はお断りをして、元妻との復縁をしたのです。

交際中の人は大ショックです。ですが、相手が結婚できないとなれば、それを受け入れるしかありません。

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ご紹介した2つの事例のように、結婚相談所では「復縁」が絡んだ恋愛や結婚もあります。残念な結果になる場合もありますが、見方によってはチャンスがいくらでもあるわけですから、決して諦めることなく婚活をしてほしいと思います。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

佐竹 悦子/株式会社インフィニ青山予備校代表、婚活カウンセラー

素敵な方とのご縁をつなぐ結婚相談所インフィニ青山結婚予備校を運営し、成婚率№1・顧客満足度№1を獲得。24年以上、婚活最前線で3万人とカウンセリングを行い成婚に導く。 著書に『佐竹悦子先生の「結婚力」養成講座』、メディア実績に『ノンストップ!』『The Japan Times』『週間ダイヤモンド』などがある。


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