【なぜ?】 寒いと高く、暑いと低くなる『声』 専門家に聞いてみた←謎を解く鍵は“筋肉”にある!?

暦上ではすでに春なのですが、まだまだ寒い日が続いています。つい先日急に寒くなった日なんて、家から外に出た瞬間に「寒ィイイ〜!」と思わず叫んでしまいました。

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その後も、「寒ィ〜! 寒ィ〜! 寒ィ〜!」と連発していて気がついたのですが、「寒ィ〜!」と言うときってなんだか普段よりも声のトーンが高くなってないですか?

その日に会った近所の人が、ビューッと吹いてきた寒風に「寒ィイ〜! 寒ィイ〜!」と出している声も、普段聞いているよりも明らかに高いんです。

急に冷たいもんを触ったときも、「冷ター!」と声のトーンが上がりますよね。

反対に、うだるような暑さの夏の日には「暑ぅぅう〜」と、低い声が出てしまいます。

「なぜ、暑さ・寒さで声のトーンが変わるんやろか?」と思いまして、ボイストレーナーでオペラ歌手でもある音声研究家・上野目泰之(かみのめ・やすゆき)さんに聞いてみました。

上野目さんによると、寒い日に声が高くなるのは首や肩の筋肉が寒さで緊張することが原因なんだとか。寒さによって筋肉が微振動を起こす「シバリング」という反射も要因のひとつだといえるそう。

つまり、肩まわりの筋肉が緊張することでアゴや首の筋肉もかたくなり、のどの空間が狭くなるために声が高くなるわけです。

一方、暑い日には、上がってしまった体温を下げるために人は大きく呼吸しようとします。その際に首や肩の筋肉がゆるみ、息を吐きやすいような体の状態になります。

首がゆるむことでのどの空間が広くなり、声が低く聞こえるのだと説明してくださいました。

なるほど。声が高くなったり低くなったりするのは、急な寒さや暑さを軽減させるための身体反射のひとつだと考えられるんですね。

そういえば、驚かされたときにも「ビックリした〜!」と声が高くなるし、足でなにかを踏んだときなんかも「痛ッッ!」と高い声が出ます。これらも筋肉がビクッと緊張した結果だったわけですね。

私は、冬の「寒ィイー!(高い声)」も、夏の「暑ぅぅぅう〜(低い声)」もほんまに嫌なんで、ちょうど良いトーンの声が身体から自然に出てくるような……。

「春が待ち遠しいです」

※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年2月14日放送回より

(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)

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