ストレスが愛犬の健康に悪影響を及ぼすことは知っていても、「これってストレス?」と迷うことがありますよね。読者がいだいている犬のストレスに関するギモンや不安について、獣医師の和田美帆に先生に教えていただきました。今回は犬が見せる「ストレスサイン」をご紹介します。
引用元:Ирина Мещерякова/gettyimages
Q.カーミングシグナルって何?
A.ストレスを感じた自分を落ち着かせるしぐさ
犬はストレスを感じたときにカーミングシグナルといわれるしぐさや行動をとることが。これは不安な気持ちを自ら落ち着かせるために行います。同時に自分にストレスを与えている相手に対しても、興奮や怒りを抑えて!と伝える合図にもなっています。このしぐさが見られたら無理に止めたりせずに見守り、ストレスの原因を探って。
カーミングシグナルの一例
・あくびをする
・体をブルブルさせる
・床(地面)のニオイをかぐ
・体をかく
・目をそらす
・足や体をなめる
・口をくちゃくちゃさせる
・鼻をなめる など
Q.人と同様、犬もストレスを感じると、鼓動が速くなったり汗をかく?
A.脈が速まったり、足裏に汗をかくことも
人はストレスを感じると鼓動が速まってドキドキしたり、手足や額に汗をかいたりします。犬も似ていて、ストレスがかかると脈拍が速まって体温が上昇。体温を下げようとハァハァと呼吸するように。また犬は足裏にしか汗腺がありませんが、ストレス下だと足跡がつくくらい汗をかくことが。
Q.ストレスを感じたときのあくびと、眠たいときのあくびの見分け方は?
A.脈絡のない場面のあくびはストレスのサイン
カーミングシグナルは、あくびなど生理現象として現れるしぐさと同じ動作のものが少なくありません。ただ、ストレスを感じた場合にするそれは、なんの脈絡もない場面でします。たとえば怒られたときにするあくびは、眠かったり反省していないからではなく、ストレスのサインです。
犬がストレスを感じたときに見せるカーミングシグナルの例と、犬のストレスに関する疑問をご紹介しました。愛犬のストレスを見きわめるヒントにしてくださいね。
お話を伺った先生/「千葉どうぶつ総合病院」副院長。行動診療科医長。獣医行動診療科認定医 和田美帆先生
参考/「いぬのきもち」2023年10月号『これってストレス? 33のギモン』
写真/尾﨑たまき、佐藤正之、殿村忠博
文/いぬのきもち編集室