「新たな未来へ歩みだす船」のデザインが公開。商船三井が目指す内航フェリー事業の未来

商船三井のグループ会社である「商船三井さんふらわあ」が運航する、大洗~苫小牧航路(北海道航路)の新造LNG燃料フェリー2隻の船体デザインが決定した。

本船は2025年の就航を目指し建造を進めており、2024年4月に第一船の進水式を予定している。商船三井グループでは、2023年就航の日本初のLNG燃料フェリー2隻「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」に今回の2隻を追加し、25年までに4隻を運航することになる。

「新たな未来へ歩みだす船」のデザインが公開

新造LNG燃料フェリー2隻の船体デザイン

新たな2隻「さんふらわあ だいせつ」「さんふらわあ しれとこ」のデザインコンセプトには『かけがえのない地球と海を守り、受け継いできた伝統と新たに切り開いていく未来を繋ぎながら、人々の暮らしを明るく照らし続けていきます』が掲げられている。

「新たな未来へ歩みだす船」を表現した本船は、海と空をイメージした「青」を基調としており、「夜明けの海」「新しい時代を照らす光」をイメージしたデザインが特徴だ。機能面においては、環境に優しいLNG燃料を使用する他、現在北海道航路に従事する既存船に比べCO2の排出量を約35%も抑制できるという。

将来的にはLNGに代わる新燃料の採用も...?

「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」の、開放的なパブリックスペース

2023年に運航した日本初のLNG燃料フェリー2隻「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」は、それまで同路で運航していたフェリーに比べ、貨物輸送と旅客輸送面において利便性が大きく向上したことで知られている。

貨物輸送においてはトラックの積載台数を大幅に増やし、ドライバーズルームを拡充した。また旅客輸送面においては「カジュアルクルーズコンセプト」をコンセプトに掲げており、大浴場やレストランの拡大、開放的なパブリックスペースなど、現在魅力あふれるクルーズ船として人気を誇っている。

商船三井グループは、2021年6月に策定した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標にしている。今後も内航フェリー事業における環境対応をリードすると共に、将来的にはLNGに代わる新燃料の採用も視野に入れながら研究に取り組んでいくという。

今後「サステナブルなフェリー」に一層注目が集まりそうだ。

© ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社