弔慰金とは
弔慰金とは、会社で働く従業員が亡くなった際に、悼む気持ちを表する形で、会社から遺族へ渡されるお金のことです。災害で亡くなった場合は、自治体から遺族へ弔慰金が支給される場合もあります。弔慰金は義務ではなく、会社における福利厚生のひとつです。そのため、支給される金額は会社によって異なります。
また、弔慰金と似たお金である死亡退職金が受け取れる会社もあります。死亡退職金は、本来亡くなった方が受け取るはずだった退職金を、代わりに遺族へ渡すお金のことで、退職金制度のひとつです。
会社によっては、弔慰金と死亡退職金を明確に分けておらず、まとめて支払われるケースもあります。
弔慰金は決められた金額以内なら税金がかからない
弔慰金は、一定金額以内であれば税金がかかりません。ただし、実質的に死亡退職金などに該当すると認められる金額は、税金の対象になります。
税金がかからない金額は、亡くなった方が仕事中に亡くなったのか、仕事以外のことが原因で亡くなったのかによって異なります。死亡退職金ではなく、弔慰金として認められる金額の範囲は、以下の通りです。
__●仕事中や仕事が原因で亡くなった場合:亡くなった方の普通給与3年分
●仕事以外の原因で亡くなった場合:亡くなった方の普通給与半年分__
収入の計算には、勤務地手当などの各種手当も含まれます。例えば、月収30万円の方が仕事中に亡くなったときは、1080万円まで税金がかかりませんが、仕事以外の原因で亡くなったときは、180万円までになります。
弔慰金が課税対象になる例
弔慰金が課税対象となるのは、決められた金額を超えた場合です。一定金額を超えた分は、死亡退職金として相続税に加えられます。
ただし死亡退職金には、みなし相続財産としての非課税限度額が定められており、計算式は以下の通りです。
・亡くなった方の相続人の数×500万円
例えば、亡くなった方の相続人が妻だけだった場合、非課税限度額は500万円です。弔慰金だけで死亡退職金のない会社の場合では、税務署に弔慰金を死亡退職金として判断されるケースもありますので、確認しておきましょう。
亡くなったときに相続財産から控除できる費用
一定金額を超えた弔慰金や死亡退職金を含め、亡くなった方の財産を相続すると、相続税が発生します。しかし、葬儀やお通夜にかかった費用は、相続財産から代金分を控除することが可能です。ただし、香典返しの費用や墓石、墓地にかかった費用は控除されません。
弔慰金を受け取る場合は限度額を超えていないか確認しておく
弔慰金は、会社から亡くなった方の遺族へ渡されるお金です。弔慰金は、決められた金額の範囲内ならば、基本的に税金がかかりません。ただし、受け取った金額が高額だった場合は、決められた金額を超えた分が死亡退職金扱いとなり、相続税の対象となるケースもあります。
死亡退職金として扱われる金額は、亡くなった原因が仕事か仕事以外かで異なるため、注意が必要です。受け取った際は、弔慰金として決められた金額を超えていないかを、計算しておきましょう。
出典
[国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)
No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い
](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4120.htm)
[ No\.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金
](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4117.htm)
No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー