物流の2024年問題。トラックドライバーの労働時間の制限などにより、輸送能力が不足し、これまでと同じような運送や配達ができなくなる懸念が高まっています。
法改正の施行まで、あと1か月余り。私たちの生活に直結する、この問題を前に、需要が急増しているモノがあります。「宅配ボックス」です。
鳥取県米子市内のホームセンター。
今月に入りある商品が売れ行きを伸ばしているといいます。
ナフコ ツーワンスタイル米子東店 大濱磨里子 販売主任
「宅配ボックスがよく売れています。昨年度に比べると、170%の売り上げになっています」
外出時や入浴中、料理中など、不在在宅問わず、届いた荷物を非対面で受け取れる宅配ボックス。
ここにきて、売り上げを伸ばしている理由とは…
ナフコ ツーワンスタイル米子東店 大濱磨里子 販売主任
「今年4月からの2024年問題が近づいているので、それに対策されて買われる方が増えていると思います。以前はシンプルなボックスタイプが多かったんですけど、今はダイヤル式や鍵が付いたものが増えています」
「物流の2024年問題」。労働基準法の改正に伴い、今年4月からトラックドライバーの労働時間が制限されることで、輸送能力が不足し、従来と同じような運送・配達ができなくなる可能性があると言われています。
ドライバーの負担軽減に必要不可欠と言われているのが「再配達」の削減です。
そもそも、再配達の割合はどれほどあるのでしょうか。
国土交通省が去年10月に行った調査によると、宅配便の再配達率は11.1%。
1年間の宅配便取扱個数(2022年度)はおよそ50億個以上もあるため、再配達数は5億5000万個以上もあるという計算になります。
また、国交省では、2024年度に再配達率6%を目指していて、さらなる対策が求められます。
こうしたなか、宅配ボックスが設置される賃貸物件も増えているといいます。
ウチダレック 賃貸企画課 春山佑真 主任
「こちらの宅配ボックスは、もともと建築のときには無かったんですが、需要が高まったということで、最近設置されました。弊社が去年建てたアパートでは、各部屋の横に宅配ボックスがあり、外から入れて、部屋の中から取り出せるタイプもあります」
また、春の新生活に向け、物件探し真っ最中という人も多い中、お部屋選びの条件にも変化が…
ウチダレック 賃貸企画課 春山佑真 主任
「コロナ感染症が増えてからは、ネット無料が一番なんですが、それに次いで宅配ボックスがかなり上位になっています」
「ネット無料」「オートロック付き」などの条件に次いで、「宅配ボックス付き」を希望する人も多いとのこと。
ただ、個人で宅配ボックスを設置する場合、賃貸アパートの共用部分に個人の物を置いてはいけないというルールもあるため、家主に相談するなど注意が必要だということです。
私たちの生活に大きく影響する「物流の2024年問題」。
ネットでの買い物が当たり前となった今、消費者側の対策も必要と言えそうです。