楽天、モバイル重荷で5期連続の「巨額赤字」発表 待ち受ける社債償還、利回り12%超「新社債」発行の“底なし沼”

2月13日、楽天モバイルの新プラン説明会に登壇した三木谷浩史氏(写真・共同通信)

2月13日、楽天モバイルは、家族向けの割引サービス「最強家族プログラム」を2月21日から提供することを発表した。

楽天モバイルのプランに家族で加入すると、加入者全員の料金が月額110円安くなる。

「超お得なプランだと思っている」

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、自信をのぞかせた。

だが、2月14日に発表した楽天グループの2023年12月期決算は、純損失が3394億円で、5期連続の赤字となった。モバイル事業の営業損益は3375億円の赤字で、グループ内の重荷となっている。

「楽天グループは、楽天モバイルの基地局建設などの設備投資に約1兆円を投じ、その多くを社債の発行で賄ってきたため、資金調達に追われてきました。

これまでも、傘下の楽天銀行の上場で700億円超を調達したかと思えば、2023年11月には楽天証券ホールディングスの株の一部を、みずほ証券に約870億円で売却すると明らかにするなど、償還資金の確保を進めてきました。

2024年1月には、米ドル建て社債の借り換えを実施すると発表。米ブルームバーグが報じたところでは、総額18億ドル(約2650億円)、償還期間3年のドル建て債で、利回りは12.125%。楽天グループの利払い負担は増すことになります。

さらに、2024年、2025年にかけて、楽天グループは総額約8400億円の社債の償還が待っているため、資金調達は大丈夫なのか、という懸念も出ています」(経済担当記者)

楽天モバイルは2023年10月、電波がつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」を獲得。2024年中にも、この周波数帯を使ったサービスを始める予定だが、5期連続赤字という“底なし沼”を抜け出すことができるのだろうか。

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