“サムライ魂の継承”を指揮官は望んだ。
2月14日、「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」の記者会見が都内のホテルで行なわれ、侍ジャパンを率いる井端弘和監督が同シリーズに出場する代表メンバー28人を発表した。
指揮官は、大学生4名を含む28人の侍戦士の選考について「悩みはなかった」と断言。親善試合とはいえ、今秋に開催されるプレミア12に向けて『新たな選手の発掘』『日本代表の誇り・継承』という2つの目的を掲げながら、今回の人選に自信を示した。
「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、オリンピック予選、オリンピックに向けての新しい力というところでは、今後の日本を背負っていく選手たち、何度か入っている代表経験者、初選出、若手と非常にバランスよく選べたかなと思います」
無論、井端監督が強調する「経験」を伝える大事な役目を担うのは、去年3月のWBCで世界一奪還に貢献したメンバーであることは言うまでもない。今回選出されたメンバーで、野手陣は村上宗隆選手(ヤクルト)、源田壮亮(西武)、近藤健介(ソフトバンク)、中野拓夢(阪神)の4人が名を連ねた。
一方の投手陣では宮城大弥(オリックス)、腰の張りのため途中離脱した抑えの栗林良吏(広島)の2人を選出。また、広島のエース右腕・森下暢仁は東京五輪の決勝マウンドでは米国を封じ込め、金メダル獲得に貢献した。
井端監督はWBC代表だった源田、近藤、村上の名を挙げ、「今回学生もいますので、『プロ野球はこういうものだ。代表っていうのはこういうもんだ』っていうところを、若い選手に見せていってくれれば」と期待を込め、死闘をくぐり抜けて14年ぶりの世界一を掴んだ彼らにリーダーシップを求めた。
プロ、アマ問わず編成された今回の侍ジャパン。両立が難しい2つのテーマを掲げながら48歳の指揮官は、さらなる高みに邁進する。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)