三星堆遺跡の竜 神秘に包まれた中華文化の象徴

三星堆遺跡の竜 神秘に包まれた中華文化の象徴

 

 【新華社成都2月14日】中国の南西地域にある三星堆(さんせいたい)遺跡の出土品には、中華民族のシンボルであり、中華文化の象徴でもある竜が数多く見られる。三星堆からは文字がいまだ見つかっておらず多くの謎に包まれているが、独特の造形の「青銅立人像」や気高く神秘的な「黄金の仮面」、世界に唯一無二の「青銅神樹」、象牙、玉石器など貴重な出土品が私たちを古代の世界にいざなってくれる。

 四川省文物考古研究院の三星堆遺跡作業ステーションの許丹陽(きょ・たんよう)副ステーション長によると、三星堆からはこれまでに少なくとも30以上の竜が施された出土品が見つかっている。「主に青銅器と陶器に見られる。特に青銅器に多く、文様や装飾の一部になっているものや青銅器そのものが竜の形をしているものなど、さまざまなパターンがある」と話した。

 最も目を引くのは高さ3.96メートルの「1号青銅神樹」。頭に角を生やし、首をもたげた「神竜」が幹伝いにくねりながら絡まっている。竜の姿は優美でしなやかながら、言いようのない奇怪な印象も与える。許氏は、神樹には当時、天と地をつなぐ祭祀(さいし)的な役割があったほか、神樹の竜は人と神をつなぐ使者の象徴であり、天から舞い降りて神の言葉を告げたとの見方を示した。

 中国では甲辰(きのえたつ)、辰年の春節(旧正月)を迎え、三星堆の竜が大きな注目を集めている。許氏によると、竜は三星堆の出土品の中でも特に目を引く文化的象徴で、中華文明の「多元一体」を示す重要な証拠でもある。「今後も綿密な調査を続けるとともに、人工知能(AI)による復元など最新技術も活用し、中華民族の竜文化の魅力をより目に見える形で伝えていきたい」と話している。(記者/童芳、楊華、薛晨)

 

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