春を先取り&調理も簡単!野菜ソムリエが今おすすめするスーパーで買える早春の味覚3選

まだまだ冬の真っ最中ではありますが、年が明けた頃からスーパーの野菜売り場には少しずつ“春”を思わせるような野菜が並び始めています。
冬野菜とも春野菜とも言い切れない、こういった年明けに出荷量が増える野菜は、ほかの季節とはちょっと違う味や香りが楽しめるものが多く、食卓のマンネリ化も防いでくれます。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、スーパーで手軽に買える今おすすめの食材を紹介します。

コロンとかわいい姿と甘さが魅力!「芽キャベツ」

Sanny11/gettyimages

芽キャベツは例年、秋頃から徐々に出荷量が増え、年明けから春先にかけてぐんと値段が下がって買いやすくなります。
鮮やかな緑色とコロンとしたかわいらしい姿は、冬の終わりが近づいているイメージがあって、心浮き立つ食材ですよね。

芽キャベツはキャベツの赤ちゃん…というわけではなく、キャベツの仲間ではありますが別の植物です。
ふつうのキャベツは葉の真ん中で1つだけ結球しますが、芽キャベツは茎のわきで一度に50個ほど結球します。

使いかたに悩む人もいるかもしれませんが、シチューに入れたり、ニンニクやベーコンと一緒にグリルで焼いたり、アヒージョにしても。
みずみずしさと甘さの両方が楽しめる野菜です。

苦味は調理方法で調整!「菜の花」

年明けとともにスーパーの店頭で登場頻度が増えていく菜の花。
例年1月~3月頃に出荷のピークを迎えます。

ほろ苦い風味はまさに“早春の味”。
独特の風味が好き、または気にならないという場合は、ほうれん草と同じようにおひたしなどに使ってください(ほうれん草より茎が太いので、茎の部分は半分か1/4の太さに切るのがおすすめ)。

風味や苦味が苦手な人は、油と一緒に調理することで食べやすくなるので、ゴマ油やオリーブオイルなどを使ったり、豚バラ肉など油脂が多めの肉と一緒に調理するのがおすすめです。

目立たないけどぜひ食べて!「ワケギ」

最後にご紹介するのは、ちょっと地味だけど味わい深い、ワケギ。
これから2月~3月が出荷最盛期になります。

見た目はネギに似ているというか、知らずにネギとして食べている人もいそうなくらいネギっぽいのですが、ネギと玉ねぎの交雑種です。
ふつうのネギと比べて根元の白いところがちょっと膨らんでいて、玉ねぎっぽさがあります。
球根から栽培されて枝分かれしていく性質があるため、「分葱(わけぎ)」と名付けられました。

ワケギはネギよりも甘みがあってやわらかく、またネギ特有の臭みも少ないので食べやすい野菜です。
筆者はよく酢味噌和えにしますが、ネギと同じように肉巻きにしたり味噌汁に入れたりしても合います。

早春の恵みを味わおう

早春の味覚というとワラビやゼンマイなどの山菜もありますが、山菜を自分で調理して食べようと思うとちょっとハードルに感じる人もいるのでは。
一方で今回ご紹介したような野菜はスーパーで手に入りやすいだけでなく、手軽に調理もできます。

本格的な春はまだまだ先ですが、春先取りの野菜でぜひいつもの食卓の雰囲気をちょっと変えてみてください。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

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