LRT西側延伸見据え施策 宇都宮市、交通戦略後期計画素案公表 子育てタクシー導入支援

 【宇都宮】市は14日、交通施策のマスタープランとなる「第2次宇都宮都市交通戦略」(2019~28年度)の後期5年間の計画素案を公表した。次世代型路面電車(LRT)開業を経て、JR宇都宮駅西側へのLRT延伸を見据えた交通施策のほか、子育て支援や福祉など他分野でも公共交通を積極的に活用していく方針を盛り込んだ。

 計画策定に向けて市民代表や交通事業者らが意見を交わす「宇都宮都市交通戦略推進懇談会」で公表した。24年度からの後期計画ではLRT開業などを踏まえ、前期計画を大きく改定。交通施策だけでなく全市的に公共交通の活用に取り組んでいく方針を示し、LRTが西側に延伸する2030年代前半の市民の暮らしを将来イメージとしてイラストで添えた。

 計画素案には次の5年間の主な取り組みとして、交通施策では市中心市街地で駐車場の配置を工夫し、自動車を市街地周縁部に誘導すること、次世代モビリティを充実させることなどを明記。他分野でも子育て支援で、子どもや子育て世帯が使いやすいよう路線バスや地域内交通の運行ダイヤを見直すこと、子育てタクシー導入を支援していくことなどを盛り込んだ。福祉では、高齢者の外出支援や障害者への交通費助成などを加えた。

 同日は続けて「芳賀・宇都宮地域公共交通活性化協議会」も開かれ、新たに策定する「芳賀・宇都宮地域公共交通計画」(24~33年度)の素案が公表された。

 市は各素案について15日から3月15日までパブリックコメントを実施し、同戦略の後期計画は5月以降に策定。同交通計画は6月に策定して国に提出する。

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