国交省/時間外労働上限規制超過の現状把握へ、民間工事の工期調査開始

国土交通省は時間外労働の罰則付き上限規制の適用を目前に控え、建設会社へのアンケートで上限規制の基準超過の現状を調査する。民間工事の工期設定の実態や現場従事者の働き方改革の進捗(しんちょく)状況を聴取する「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」を開始し、ウェブ上での回答を3月1日まで受け付けている。3年目となる今回は追加の設問として、工事に携わる技術者と技能者のそれぞれで上限規制の特別条項を含めた超過割合を聞く。
元請と下請を問わず幅広い建設会社を対象とする「受注者向け」の調査とともに、民間発注者を対象とした「発注者向け」の調査も同時に行う。それぞれの立場で▽民間工事全般の工期設定状況▽適正工期確保や生産性向上への取り組み▽資材価格高騰への対応状況-などについて回答してもらう。受注者向け調査では新たに自由記述で、時間外労働削減につながる具体的な取り組み内容を聞く。
昨年度の調査によると、上限規制で原則となる月45時間を目安に、技術者の平均残業時間がそれを超過すると回答した企業は13%、技能者の場合は5%だった。技能者より技術者の残業時間が長い傾向にあることが分かり、現場管理だけでなく事務作業の負担も大きい技術者の業務特性に応じた改善策が必要とされる実情が浮き彫りとなった。この1年の各社の取り組みなどによる成果の現在地を再確認し、今後のさらなる対策につなげることが求められる。

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