中国経済の唯一の慰めは2024年が「辰年」であること―仏メディア

2024年2月14日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、「中国経済にとって今年唯一の安心材料は『辰(たつ)年』ということだ」と題した仏紙ル・モンドの上海特派員によるコラムを紹介する記事を掲載した。

記事は、同紙の上海特派員シモン・ルプラトル氏が13日に発表した中国経済の現状に関するコラムの内容を紹介した。同氏は「中国人は春節(旧正月)を、宴会や一家だんらんで過ごし、『発財おめでとう』とあいさつを交わすとともに、お金が入った赤い封筒『紅包』を渡し合う。しかし、多くの中国人が富を減らし、中国経済にとって暗黒の1年を経て迎えた今年の『紅包』の中身は膨らんでいるのだろうか」と疑問を呈した。

そして、中国の中産階級について「現在あらゆる面で問題を抱えている」とし、賃金の低迷、不動産価格の下落、株式市場の続落といった状況が続いていると指摘。「特に株式市場は春節前の採集取引日に過去5年間で最低の水準を記録する状態で、状況を憂慮した中国政府が7日に中国証券監督管理委員会のトップを交代させ、さらには大手金融機関や国有企業を動員して株式を購入させて株価を上昇させる行動に出たと論じた。

同氏はまた、投機バブル崩壊に起因する前回15年の中国株式市場の暴落とは異なり、今回の暴落は、市民の経済に対する自信、信頼の低下に加えて、経済を軌道に乗せる能力や意欲に対して当局が全般的に自信を喪失していることに起因しているようだと指摘。数ある中国経済低迷の理由の中で最も深刻なのは、不動産危機による中国消費者の自信喪失であるとし、「中国の家計貯蓄の約70%は不動産投資。2000年以降の不動産ブームでは、大都市住民の多くが労せずして億万長者になった。それが今、不動産セクター危機によって今度は何もしないうちに裕福ではなくなってしまった」と評した。

同氏は「中国経済にとって唯一の慰めは、24年が辰年であることだ。辰は干支の中で最も人気があり、出生率のわずかな上昇と支出の増加をもたらし得る」との見方を示し、現状で数少ない明るい兆しの一つとして、今年の春節に旅行する人の数が、新型コロナ大流行の前の19年に比べて1.1%増え、過去最高を記録する見込みであることを挙げた。(翻訳・編集/川尻)

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