ベルギービールとハーブ(薬草)について(最終回)

はじめに

今回は、ベルギービールとハーブ(薬草)(以下ハーブと表記します。)についてまとめていきたいと思います。

ハーブとは

一般的には料理の香り付けや保存料、薬、香料、防虫などに利用されたり、香りに鎮静・興奮などの作用がある有用植物で、緑の葉を持つ草、茎のやわらかい植物などを指します。同様の有用植物であっても、種子、実、根、樹皮などは香辛料と呼ばれることが多いですが、苔から木本まで、香りや薬効がある有用植物全般をハーブとして扱う場合もあります。反面、旺盛な繁殖力を持ち駆除困難な雑草となる種(例えばヨモギやカラハナ草等)もあります。
ハーブは「草」あるいは「野草」、「草木」を意味するラテン語: herba を語源とし、フランス語でherbe(エルブ)、古英語でherbe(アーブ)となり、これが変化して英語のherbとなり、日本に伝わってハーブという言葉が使われるようになりました。

ヒューガルデンホワイト

食材に使用される効果

1・香り付及び消臭効果

例えばコリアンダーシードを使用するとレモンや柑橘系の香りがします。ジンジャーは少し辛みもあり後味はスッキリします。
臭い消しとして有名なのは、卵料理にパセリとか鶏肉にタイム等があります。

2・防腐や殺菌及び消毒効果

例えば刺身や魚や肉を生又は半生で食べるときワサビやジンジャーやクローブ等を使用することで食材の防腐や殺菌及び消毒があると言われています。

3・消化促進

ハーブの特徴として香りがあり、スパイシーな味そして防腐や殺菌及び消毒効果の成分が胃を適度に刺激し消化酵素の分泌を促進します。
油っこい食材や糖質の多い食材等消化しにくい食事をする場合に改善されます。

グーデン・カルロス・クリスマス

ビールに使用される効果

基本的にビールは麦とホップと水で造られています。ベルギービールとハーブ(薬草)について(第1回)で記載した通りホップだけで食材に使用される効果が全て満たされます。そのビールに、コリアンダーシードやタイムやクローブ等のハーブが使用されているビールは、それがさらに強くなると考えて良いと思います。

リーフマンス・グリュークリーク

さいごに(考察)

コリアンダーとオレンジピールはヒューガルデンホワイトを代表するホワイトビールに使用されることが多いです。
今まで紹介したハーブのほとんどがウィンタービール(クリスマスビール)に使用されることが多いです。
例えば「グーデン・カルロス・クリスマス」には、オレンジピール、コリアンダー、カモミール、スペインカンゾウ、アニス、リコリスのハーブが入っています。また、ベルギービールのホットビール「リーフマンス・グリュークリーク」にはシナモン、アニス、クローブのハーブが入っています。「ナイス・シェフ」にはタイムとオレンジピールが入っています。
ハーブの入ったビールは同じハーブを使った料理に合います。
ところで、日本では冬至になると冬至のカボチャや柚子やダイコン等を食べ冬場に備えビタミンやミネラルを補給します。これらが不足すると、インフルエンザ等のウイルス等に対しての免疫が低下すると言われています。
西洋でも同じで、この時期クリスマスやお正月には肉料理や魚料理等が食卓に並びます。これらの料理は基本的に油が強いため消化も悪いため、味付けや殺菌そして消化を良くするのに、昔からハーブを使ってました。そして、ビールにハーブを入れることでさらに、その効果が強くなります。
ビールにハーブを入れることでビール自体の品質を保つだけでなく、健康的にも効果があります。
ウィンタービールの他にもホワイトビールの大多数やグーデン・カルロスのシーリーズやドゥ・ライト醸造所のシリーズは常時ハーブを使用しています。
是非お試しください。

ナイス・シェフ

前回

© 一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会