糸井嘉男氏がキャンプで見つけたイチ押し選手【阪神タイガース編】

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前川右京は「吉田正尚のレベルまで行きそう」

糸井嘉男SPAIA公式シニアアンバサダーが阪神タイガースの春季キャンプを視察し、目に留まった選手をピックアップした。名前が挙がったのは前川右京外野手(20)、野口恭佑外野手(23)、門別啓人投手(19)の若手3人。糸井氏は「タイガースは層の厚みを増しています」と2年連続日本一を目指す古巣の若手が成長している状況に目を細めた。

前川右京は智弁学園高時代に通算37本塁打をマークした左のスラッガー。2021年ドラフト4位で入団し、2年目の2023年には一軍で33試合に出場して、本塁打こそ打てなかったものの貴重な経験を積んだ。3年目となる2024年に飛躍が期待される一人だ。

「キャンプを見る限りではスケール的にヤバい領域に行ってます。まず飛距離がアップしてますね」と糸井氏は成長ぶりに驚いた様子。「ヘッドの使い方がうまいですね。去年の経験も踏まえて、さらに成長しています。まだ20歳ですからね」と将来性に太鼓判を押した。

自身も同じ左打者だったが「吉田正尚のレベルまで行きそうなくらい群を抜いていますね」と最大級の賛辞。オリックス時代の同僚を引き合いに出して、その高い素質を力説した。

今季初実戦となった2月11日の紅白戦ではいきなり4安打の猛アピール。「対応力は素晴らしい上に飛距離が増してるから一気にレギュラーを獲る可能性も十分ありますね。そのためには試合に出ないといけないので、守備も大事です」とかねてから課題に挙げられている守備の重要性を説いた。

阪神の外野陣はライト・森下翔太、センター・近本光司、レフト・ノイジーと高い壁がそびえるが、決してノーチャンスではない。これからオープン戦にかけての活躍次第で開幕一軍入りも期待できそうだ。

門別啓人は「想像をはるかに超える球」

野口恭佑への期待も高い。創成館高から九州産業大を経て2022年育成1位で入団。2023年11月に支配下登録され、今春キャンプは一軍に抜擢された。

「初めて見たけどインパクトが強いし、魅力的ですね。バットを振れることが素晴らしいし、飛距離も凄いです」と糸井氏。野口も外野のポジション争いに加わってくれば、チーム内の競争激化でさらなるレベルアップが期待できそうだ。

投手では門別啓人の名前を挙げた。東海大札幌高から2022年ドラフト2位で入団した身長183センチの左腕。昨年9月に一軍デビューし、2年目の飛躍が期待されている。

「同じ左投手の能見篤史さんに話をうかがったのですが、楽しみにして見に行ったら、想像をはるかに超える球だったと言っていました。僕が行った時はブルペンに入らなかったんで残念でしたが、ホントに楽しみですね」

昨季は村上頌樹と大竹耕太郎の新戦力がブレイクした阪神投手陣。今年のブレイク候補として門別への期待は膨らむ。「隠し球にしておこうと思ったけど隠し切れないですよ」と糸井氏は苦笑いした。

先発もリリーフも阪神は層が厚いが「ケガなくいったら入ると思います」と一軍での活躍を予想。「タイガースはどんどん若い選手が出てきて控えとレギュラーの力の差があまりない状況。“アレンパ”の確率は高いかも知れませんね」と連覇へ「視界良好」を強調した。



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