キッチンリフォームが完了したコーディネーター・加藤タキさんのご自宅を訪問。すっきり広々とした新しいキッチンへのこだわりと快適な暮らしの極意を伺いました。
前編はこちら。
お話を伺ったのは
コーディネーター
加藤タキさん
かとう・たき⚫︎1945年、東京都生まれ。
米国報道誌勤務を経て、国際間のコーディネーターとしてオードリー・ヘプバーンをはじめ、海外スターのCM出演交渉や音楽祭などで先駆的役割を果たす。
講演、TV、各種委員、ボランティアなど幅広く活動。
近著は、さだまさしとの共著『さだまさしが聞きたかった、「人生の達人」タキ姐のすべて』(講談社)。
「老後でなく今を充実させる」 70代からのリフォーム
「設計は夫に任せましたが、収納と水まわりだけはリクエストしました」と加藤タキさん。
リフォーム前後の写真を見比べながら、こだわりのポイントをチェック!
タキさん流【たっぷり収納】
「もったいなくて捨てられない性格」と加藤さん。ものがあふれ出さない収納のコツとは?
「新しいシステムキッチンで収納力がぐんとアップ。『何となく出しっぱなし』がなくなり、すっきり収納できるように。片づいたキッチンを見るとリフォームしてよかったと感じます」
すべてをしまい込まず、使い勝手を考慮した加藤さんのこだわりも。
「夫はものが出ていないのが好きで、私はものが出ていて手を伸ばせば取れるのが好き。どこで折り合いをつけるか悩みました。夫を見ていると、調理中に『あれがない、これがない』と言っているから、頻繁に使うであろう調理器具類などは目の前に配置。見た目の美しさと使い勝手のよさを両立させました」
キッチンツール
Before
After
調理器具
Before
After
タキさん流【ストック管理スペース】
リフォームに当たって、キッチンにあるものをいったん全部外に出す必要があったため、ものを見直すいい機会になった。特に効果を実感しているのがストック管理。
「何年も前に賞味期限が切れているストック食品が出てきたりして、この機会にずいぶん捨てました。手前にあるものからどんどん使っていたけれど、実はもっと古い食品が奥にあったのよね。ストック品は見えないところにあると存在を忘れてしまう。だから見やすく、取り出しやすい収納に変えました」
缶詰やインスタント食品はラベルが見えるように整然と並べて。
「これなら在庫数が把握しやすく、ムダ買いや使い忘れを防げます。扉を閉めれば見た目もすっきり」
食料品
Before
After
キッチン用品
After
料理レシピのストックも整理しました
Before
After
タキさん流【掃除しやすくする工夫】
料理は夫婦どちらもやるけれど、片づけと掃除は妻の担当。それが加藤さん夫婦流の家事分担。それゆえ、キッチンの細部には加藤さんの掃除アイディアが生かされている。
「洗い物も掃除もしやすいように、水道はホースが引き出せてシャワーが出るタイプに。私はきれいにしないと気がすまない性分だから、これで気分よく掃除できます」
コンロはIHではなくガスがいいと、夫婦の意見が一致。ガスコンロのほうが掃除は大変な気がするけれど……。
「でも、このガスコンロは五徳が簡単に取り外せるから、掃除もラクにできるんですよ。ただ、ステイホーム期間中は料理や片づけの回数が増えて、ずっとキッチンにいるはめに。さすがの私も主婦業疲れしてしまいました(笑)」
伸びるシャワーヘッド
外せるコンロの五徳
掃除グッズは見える位置に
来客の目につきにくいゴミ箱スペース
洗いやすく重ねやすい食器★
普段使いしているシンプルな白の食器。「これは夫がデザインした“PLPLシリーズ”。どんな料理にも合うし、洗いやすく、重ねて収納できるので気に入っています」
※この記事は「ゆうゆう増刊」2022年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/鈴木希代江