ドドッとTV鑑賞チャンス!本年度アカデミー賞〈関連作〉ノーラン×キリアン・マーフィー『バットマン ビギンズ』やスコセッシ×デ・ニーロ『カジノ』ほか多数

先日<第96回アカデミー賞>のノミネーションが発表された。クリストファー・ノーラン監督×キリアン・マーフィー主演の超話題作『オッペンハイマー』にはじまり、マーティン・スコセッシが盟友ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ主演で暗黒のアメリカ近代史を描いた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、そしてグレタ・ガーウィグ監督が“世界一有名な人形”たちの世界を通して歪んだ現実世界と揶揄してみせた『バービー』など、既に公開済み/公開間近の大作たちは順当に大量ノミネートされている。

そのほか気鋭の作家陣による注目作も目白押しで、2月23日(金)に公開が迫る『落下の解剖学』をはじめ、『関心領域』は5月24日(金)、『ホールドオーバーズ(仮題)』は6月21日(金)に公開が決定しており、 3月11日(※日本時間)の授賞式後もオスカー熱はしばらく冷めそうにない。

ということで、3月にCS映画専門チャンネル ムービープラスで放送される<第96回アカデミー賞>関連作をざっとご紹介。名優の出世作や隠れた出演作など、受賞予想の意味でもチェックしておこう。

『オッペンハイマー』(2024年3月29日公開)

ノミネート:作品賞・監督賞/主演男優賞/助演男優賞/助演女優賞/脚色賞/美術賞/撮影賞/衣装デザイン賞/編集賞/音響賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞/作曲賞

▼クリストファー・ノーラン監督(作品賞・監督賞)、キリアン・マーフィ(主演男優賞)

『バットマン ビギンズ』(2005年)

ノーラン監督の新「バットマン」シリーズ第1弾。クリスチャン・ベイル、渡辺謙共演でバットマン誕生に至る秘話を描く。キリアンは恐怖ガスで攻撃するヴィラン、スケアクロウを演じた。

▼ロバート・ダウニー・Jr(助演男優賞)

『アイアンマン』(2008年)

ダウニー・Jr主演のSFアクション第1弾にして、MCUの記念すべき第1作目。軍事企業CEOで天才発明家のトニー・スタークが兵器開発を止め、自ら開発したパワードスーツを身に纏い悪に立ち向かう。

『追跡者』(1998年)

現在の溌剌とした姿からは想像できないが、90年代当時のダウニー・Jrは薬物中毒などで何度も警察のお世話になっていた。『逃亡者』(1993年)のスピンオフである『追跡者』では外交保安局の捜査官ジョンを好演しているが、心なしかどんよりとした瞳が今観るとかなり印象的。

▼マット・デイモン(出演)

『ボーン』シリーズ(2002~2016年)

ダグ・リーマン監督やポール・グリーングラス監督による、怒涛のサスペンス・アクションシリーズ。マット・デイモン演じる記憶喪失の男が謎の敵からの襲撃を受けながらも、身に覚えのない格闘スキルで完璧に対応してしまう「なぜ!?」に翻弄されながらも、国家レベルの巨大な陰謀に迫っていく。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(AppleTV+ほか配信中)

ノミネート:作品賞/監督賞/主演女優賞/助演男優賞/美術賞/撮影賞/衣装デザイン賞/編集賞/作曲賞/主題歌賞

▼マーティン・スコセッシ監督(作品賞・監督賞)

『ハスラー2』(1986年)

ポール・ニューマン主演のビリヤード×ヒューマンドラマの名作『ハスラー』の続編であり、トム・クルーズとの共演作。現役を退いたハスラーと、彼に挑む若きハスラーの友情を描く。

▼マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ(助演男優賞)

『カジノ』(1995年)

1970年代の米ラスベガスを舞台に、巨大カジノをめぐる表と裏の人間模様を描くサスペンスドラマ。博打の才能を買われてカジノのマネージャーとなり、辣腕を発揮しカジノを大成功に導いていく“エース”ことサムをデ・ニーロが演じている。共演にシャロン・ストーン。

▼ロバート・デ・ニーロ

『ミッドナイト・ラン』(1988年)

孤独な賞金稼ぎと心優しき犯罪者、ひょんなことから運命を共にするハメになった2人に芽生える奇妙な友情をコミカルに描くアクション・コメディの傑作。デ・ニーロは元警察の賞金稼ぎ、ジャックを演じた。

『落下の解剖学』(2024年2月23日公開)

ノミネート:作品賞/監督賞/主演女優賞/脚本賞/編集賞

▼ザンドラ・ヒュラー(主演女優賞)

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』(2021年)

完璧な恋を仕掛けるアンドロイドをダン・スティーヴンスが熱演。ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀主演俳優賞)を受賞したラヴ・ロマンス。ザンドラはアンドロイドを製造・管理するテラレカ社の従業員を演じ、脇役ながら強烈なインパクトを与える。

『関心領域』(2024年5月24日公開)

ノミネート:作品賞/監督賞/脚色賞/国際長編映画賞/音響賞

▼ザンドラ・ヒュラー(出演)

『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』

『アメリカン・フィクション』(Amazon Prime Videoで2024年2月27日より独占配信)

ノミネート:作品賞/主演男優賞/助演男優賞/脚色賞/作曲賞

▼ジェフリー・ライト(主演男優賞)

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022年)

最狂知能犯リドラーとの対決を描く、「ダークナイト」三部作以来となるバットマンの単独映画。多くのファンに期待と不安をロバート・パティンソン演じるバットマン/ブルース・ウェインは、結果的に過去もっともダークなバットマン像を打ち出すことに成功した。ジェフリーは、ウェインの良き理解者であるゴードン刑事を演じている。

『ブロークンシティ』(2012年)

ラッセル・クロウ、マーク・ウォールバーグ共演のクライムサスペンス。市長選を控えたNYを舞台に、ある陰謀に立ち向かう私立探偵の姿を描く。本作で警察署長を演じるジェフリーを見ると、よくぞアカデミー賞まで登り詰めたね……と感慨もひとしおだ。

『ホールドオーバーズ(仮題)』(2024年6月21日公開)

ノミネート:作品賞/主演男優賞/助演女優賞/脚本賞/編集賞

▼ポール・ジアマッティ(主演男優賞)

『ガンパウダー・ミルクシェイク』(2021年)

カレン・ギラン×ミシェル・ヨー共演。女たちが暗殺組織に立ち向かう姿をCGなしの生身アクションにバイオレンスとユーモアを融合させて描いたハードボイルド・アクション。ジアマッティはギラン演じる殺し屋サムの雇用主ネイサンを演じている。

『ナイアド その決意は海を越える』(Netflixで独占配信中)

ノミネート:主演女優賞/助演女優賞

▼ジョディ・フォスター(助演女優賞)

『コンタクト』(1997年)

ロバート・ゼメキス監督による“未知との遭遇”を描くSF大作。実際の天文学者が書いた小説を基に、地球外の知的生命体と接触した女性の姿を描く。主人公の電波天文学者エリーをフォスターが演じたことで、ドキュメンタリーのようなリアリティが生まれた。

『PERFECT DAYS』(公開中)

ノミネート:国際長編映画賞

▼役所広司(出演)

『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(2019年)

『M:I‐2』のテレンス・チャン製作×役所広司主演。エベレストでの危険なミッションを圧倒的スケールで描く、日中合作のスペクタクル・エンタテインメント。

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