災害備蓄食料品のニーズ増 能登半島地震後、富山県内各社で増産体制

長期保存用の飲料水を生産する大観峯の工場=立山町野村

 能登半島地震の発生後、災害に備えた備蓄食料品への関心が高まっている。関連商品を手がける富山県内メーカーは増産体制を取るなどしてニーズに対応している。

 5年間の長期保存ができるミネラルウオーターを製造する大観峯(だいかんぼう)(立山町野村)では、防災関連の商品を取り扱う卸商社からの注文が増加。被災地に備蓄品を寄付した自治体が補てんのために発注するケースも多く、1月の受注量は前年比2割増となった。

 2~3月の繁忙期に備え昨年12月から増産していたため、積み増していた在庫で対応している。伊東晋太郎専務は「北海道から沖縄まで全国各地からの注文が増えている」と話す。

 フェイス(射水市浄土寺・小杉)が製造販売するパンの缶詰「パンだ缶」も売れ行きが好調だ。取引先である全国の小売店や生協が防災フェアを企画し、引き合いが増加。個人向けオンラインショップでも販売数が伸びている。工場をフル稼働し、1カ月の生産量を従来の約1.5倍にあたる3万缶まで引き上げた。企画開発部の田村啓峻製造課長は「防災備蓄品の必要性を訴えたい」と話した。

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