杉咲花が、主演映画『市子』で『第78回毎日映画コンクール』の女優主演賞を受賞した。14日、都内で行われた表彰式には、背中が大胆に開いた黒のシックなロングワンピのドレス姿で登壇。トロフィを手に「物語に関わる中で、何かひとりで成し遂げることは出来ないと思っているので、この賞は映画に関わった皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。自分にとってかけがえのない作品になった『市子』に関われたことを誇りに思います」と喜びを語った。
本作で自身初の映画単独主演を飾った。抗えない境遇に翻弄され壮絶な人生を贈る主人公・川辺市子を好演した。祝福に駆け付けた戸田彬弘監督は「たくさんの作品に出演されていますが、表現の幅を持っている女優さんですし、何より目から引力を感じる方だと思っていて、この市子という役には強い引力が必要だと思いダメ元で手紙を出させてもらいました」とし、「杉咲さんのおかげで作品が大きくなり、杉咲さんであるからこうして評価され業界の方にも広く観ていただけたと思っています。本当に杉咲さんに出ていただけて嬉しく思っています」と感謝の言葉を述べた。
杉咲自身は、戸田監督からの手紙による熱烈なオファーを振り返り「自分にとって分岐点になる作品だと思っていますと書かれていて、それだけ勝負に出ようとしている作品で自分自身のことを求めていただいたことを嬉しく思いました」と述べ、脚本を読み「言葉にできないような感覚に襲われる脚本で、これを演じたときにどんな場所に連れて行ってもらえるんだろうという未知の感覚があって、早く現場に行きたいなと思いました」とこれまで感じたことのない心境に触れたと明かした。
映画初単独主演で女優主演賞という快挙を果たした。何か心情の変化があるかと聞かれ「とってもありがたく思っていますが、変化はあまり感じていません。評価というものは他者の中にあるものだと思っているので、この先も粛々と作品に向き合っていきたいと思います。ただ、このような機会をいただけたことでまだ公開が続いている『市子』について皆さんが興味を持ってもらえるのかなと思うとやっぱり嬉しいです」と笑顔を見せた。
